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インスタはオワコンだ

ザッカーバーグのインスタ新戦略


インスタはもうオワコンだと思うんですけど。

その理由は、もう外見や地位を自慢する時代は終わった、からです。

しかし、現実はまだまだ写真、動画をメインに使うSNSは盛況ですよね。その代表格がインスタグラムであるのは僕も知っています。

そのインスタはすでにザッカーバーグ氏率いるフェイスブックが所有していて、ザッカーバーグさんはインスタ新戦略に乗り出しています。13歳以下専用の、いわばキッズインスタを作ろうと計画しているんです。

日本でもそうですけれど、アメリカでもインスタは13歳以下は入れません。親の同意がないとダメな仕組みで、でも日本でも親がアカウントを管理するという条件で子供がやっていますよね。

中にはスター扱いされている子供もいます。ああいうのを見ると、親が主導で子供のブランディングをしているんだなあと。

問題は、そうした子供達が年齢を偽って自分でアカウントを持っている事態が発生していることです。

The Wall Street Journal2021年6月11日号によると、米国議会超党派のグループはこの4月、フェイスブックが計画している13歳以下専用のインスタ開設案を放棄するよう命じた、というのです。行動上およびプライバシー上の懸念があるというのが理由です。

インスタの持つ潜在的なリスク

日本でもインスタは同じ懸念があります。

行動上の問題とは、子供が悪い大人とインスタ上で出会ってしまい、誘拐されるとか、ストーカーされるなどの危険です。プライバシーの問題とはまさに写真やその背景をチェックされ、個人が特定される恐れです。もっともこれは子供に限ったことではなく、毎日のようにこうしたSNS絡みの事件が報じられているのは皆様御存知のとおりです。

ザッカーバーグの言い分は、子供達が友達や家族ともっとつながることができる手助けをしたい、ということです。でも「もっと安全に家族や友達とつながる方法があるでしょ」とツッコミが入っています。

すでにアメリカではメッセンジャー・キッズ(Messnger Kids)というインスタ上の機能があり、子供が親が許可した友達とチャットができる仕組みがあり、ザッカーバーグの子供もこれを利用しているそうです。

インスタの社長によれば、ザッカーバーグの今回のインスタ子供版の提案は、「子供のインスタ上のやりとりにフィルターをかけるのではなく、親が子供のやりとりを監視し、コントロールできるような方向性」とのことです。

米政府が懸念する格差の助長

私がこの情報で一番気になったのは、44州の司法長官からなる、attorney generals(司法長官会議)が、インスタグラム社の方向性は「社会的ステータスと外見に関しての偏見を煽る」懸念がある、と言っているところです。

社会的ステータスと外見に関しての偏見、とはようするに、「インスタは俗っぽい自慢を競う電子掲示板に堕してしまった」ということです。

インスタの本質を言えば次のようになるでしょう。

文字の代わりに写真で「私きれいでしょ」「俺セレブだろ」「俺、こんな高いもの食べてんだぜ」とアピールし、肥大した自己を演出し自己顕示欲と承認欲求を満たそうとする電子媒体。

確かに自分を大きく見せたいのは人の常で、それはさっき申し上げた時代のキーワードでもある「承認欲求」の為せる技です。

見栄っ張りはある意味で健全な心理ですが、秘すれば花的な良識がそれにブレーキを掛けていました。それが、いまはインスタの普及でブレーキは外れっ放し、「見て見て」です。

この無防備さが多くの犯罪を生んでいる現実があります。

社会的ステータスを、外見の卓越を見せびらかす俗人どもと、それで商売をするえげつないインスタ。アメリカ政府はこうした「虚栄心ビジネス」が富と外見の差別を拡大することを恐れているのです。

テクノロジーがうまーく、人間の心の闇に忍び込んでお金儲けをしている構図です。

インスタは時代に逆行したカッコ悪い習慣

だけれどね、もうインスタで私きれい、俺金持ち、は流行らないと思うんですよ。

外見や社会的ステータスをインスタで強調する行為は、格差や差別を助長する行為で、今の社会の方向性に逆行するからです。自分が差別主義者だと言っているようなもので、現代の知性とは正反対です。

一方で美とステータスを見せびらかしたいのは、人間の悲しい劣情であり、強烈な欲望なので、これは永遠の商売の種になる。

特にこの甘い蜜の味を子供に味あわせてやれば、一生インスタグラムから離れられず、フェイスブックの永遠の繁栄の礎になる。子供にフォーカスを合わせるマーケティングをキッズマーケティングといいますが、インスタの狙いは典型的なキッズマーケティングです。

しかし、インスタはオワコンですよ。

ミスコンという美人コンテストがこれだけ非難されている世界で、貧困、貧富の差の拡大がこんなに問題視されている世界で、あたしキレイでしょ、俺金持ちだろ、とアピールするバカさ加減。

人々はそのことに気がついてきたのです。だから、ザッカーバーグは急いで子供を取り囲もうと必死になっているんです。

今日も最後まで読んでくれてありがとうございました。

また明日お目にかかりましょう。

                              野呂一郎

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