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プロレス&マーケティング第47戦 アントニオ猪木の原動力としての「怒り」。

この記事を読んで、あなたが得られるかも知れない利益:ロシアの歌姫に学ぶ、「表現者=怒り」という教訓。これをプロレスに当てはめれば、アントニオ猪木、ということになる。

亡命したロシアの歌姫

ニューヨーク・タイムズを読んでいたら、ロシアの人気シンガーソングライター、モネチカMonetochka(Моне́точка 小さなコインの意味)が、戦争反対を掲げ、亡命しリトアニアでコンサートをやっているという内容の記事がめに飛び込んできました。

このコンサートで、彼女はロシア国旗をはためかせ、「ロシアに自由を!」と呼びかけ、観客の大喝采を浴びています。

さて、話はプロレスに飛びます。

歌手もプロレスラーも、表現者というくくりでいいでしょう。

もちろん、アーティストでもいいし、パフォーマーでもいいです。

いちおう今日は表現者としましょう。

表現者は、いったいなにが大事なのでしょう。

それは「怒り」ではないでしょうか。

怒りとは、こうあるべきという命がけの主張のこと、です。

モネチカさんは、プーチンのウクライナ侵攻に対して、怒りました。

亡命という命がけの主張をし、今回他国でのコンサートで、ロシア国旗を振り回しました。

まさに反旗を翻したのです。

プロレスの本質=怒りの体現者とは

プロレスラーで怒りを表現しているといえば、アントニオ猪木をおいて他にいないでしょう。

日本プロレスの放漫経営、幹部の理不尽などんぶり勘定に怒り、新日本プロレスを設立しました。

全日本プロレスとNWAの蜜月で、外人レスラー供給ルートを外される理不尽に対して怒り、独自の外人招聘ルートを確立、タイガー・ジェット・シンは、怒りの副産物でした。

タイガー・ジェット・シン ハラダ画伯・作品 https://qr1.jp/PQpZRs

「誰か東洋人でオレに挑戦するものはいないか?」、当時のボクシング世界ヘビー級王者モハメド・アリの東洋人をプロレスラーをバカにした放言に怒ったのが、猪木・アリ戦実現のきっかけでした。

国会議員になり、イラクで勾留された日本人人質を救出するという、途方もないことをやってのけたのも、世間のプロレス、プロレスラーへの偏見に対しての怒りが原動力でした。

人々が怒りに共感した時、世界は変わる

史上最高、不世出のレスラーとの呼び声が高いアントニオ猪木。

しかし、アントニオ猪木というプロレスラーの最大の魅力は、そのファイトや名勝負数え歌などではありません。

それは、怒りです。

怒りとは命がけの主張のことと申し上げました。

猪木は、リング上でのファイトで、また言葉で、プロレスをバカにする世間に対して、命がけの反論を表現し続けたのでした、死ぬまで。

モネチカさんも、反戦のメッセージを今日も歌に込め、世界に訴え続けています。

彼女の怒りに、全世界が反応をし始めました。

ウクライナ人のファンも増えています。

彼女のプーチンへの、戦争への怒りが、大きなうねりになり、世界中に共感を呼んでいます。

猪木も負けてはいません。

総合格闘技が確立したのは、アントニオ猪木とモハメド・アリの戦いがきっかけでした。

https://qr1.jp/l0stgw

いわば、猪木の怒りが世界を変えたのです。

猪木が不世出のレスラーたるゆえんは、まさにここにあるのです。

野呂 一郎
清和大学教授


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