神の手の正体は”無意識”。
この記事を読んで高校生のキミが得られるかもしれない利益:見えざる神の手の正体。これからの株式市場の動きは、リーマンショック後の株式市場と同じになるから投資に活かせ、という悪魔の声。人々の透視力=投資力という案外正しいオヤジギャグ。トップ画はhttp://nyopenasu.livedoor.blog/archives/6392933.html
現実の動きを先取りする市場
ちょっと経済に関する書き物を、秋までに世に出したい、と思っているんだ。
そのためにスクラップしている未読のThe Wall Street Journalの過去記事を今読んでるんだけれど、すごく面白い記事を見つけたんだ。(Lessons from a crazy yearクレイジーイヤーからの教訓)
それはさ、2021年の市場を振り返る、っていう内容なんだけれど、昨年は、そう、パンデミック元年で、世界がコロナの最初の波に襲われて経済がずたずたにされた年だった。
記事はこういう問題提起をしているんだよ。
「なぜコロナで失業している人々が、失業手当をもらうために列をなしている一方で、(株式)市場は加熱しているんだ?」
これは3月23日に株式市場は底をうって以来、急騰し続けている現実を指している。
記事は、その理由としてこんなことを言っている。
1.市場と現実経済の動きは無関係
2.現実経済よりも、市場の回復は早い傾向にある
記事は2008年のリーマンショックも同じだったと指摘し、偶然なんかじゃないと言い張る。
あのときも確かに、3月9日にマーケットは底をうって以来、ずっと上がりっぱなし。
しかし、実体経済はたとえば失業率がリーマン以前に戻るには7年かかった。
つまり、記事は人々は、クライシスはビッグカムバックを持ってくるということを予測してるんじゃないか、その力があるんじゃないか、と言っているんだ。
神の手の正体は無意識
いま、僕は経済学原理に立ち返って、拙い分析をしている。
そこで、これまでしばしば「神の見えざる手」について話してきた。
市場は個人が自分の利益を追求していけば、社会全体の最適な利益につながる、ということだ。
この記事を読んでひらめいたんだけれど、
個人の利益追求は、まさに株式市場の動きに反映される。
つまりは神の手の動きの実況中継だ。
それが、現実を予言していることになる。
だからわかったよ、神の手の正体は人々の集合的無意識じゃないだろうか。
この仮説は、無意識って予言者なんだ、ってことだ。
これから起こることをわかっている。
市場っていうのは、株や債券を売ったり買ったりする場所であり、当然人々の予測や思惑がそこで交錯するわけだよね。
売り買いは、勝算があってやっているわけだ。
当然現実はみるさ。
しかし、人々はその先を見て投資をするんだ。
市場は人より先んじたものが勝つからだ。
期待は現実になる?
そういうふうに考えると、何も集合的無意識などという大げさな言葉を持ち出さなくてもいいかもしれない。
でもそこには、「期待」という自分でも意識してないこころがあるに違いない。
見えない輝く未来を見る透視力(投資力?)があるに違いないんだ。
そして、思いは現実になる、という。
だから、神の見えざる手=無意識でいいんだ。
ふふ、経済学は自然科学と違うから、人間という科学的なものじゃない悪魔が介在するから、MMTもあっていいけど、無意識の働き、だってそれにいれていいだろ。
今日はまた暴論を言っちゃったな。
夏のせいにしよう。
じゃあ、暑いから頑張りすぎないようにね。
また明日会おう。
野呂一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー