日本の夏をなくさない限り、経済成長はない。
この記事を読んで高校生のキミが得られるかもしれない利益:日本の夏が経済が発展しない真の原因、という珍説だが一面の真実。快適さと国力の関係。キミの成績が上がらないのは夏対策の不足、という意外な真実。思い切って夏だけ米国に移住すると人生が変わるかもしれないよ。
渡部昇一氏の遺言
昨日、教育こそが経済成長に唯一の方法という経済法則について触れた。
このことで思い出したのが、上智大学名誉教授だった、知の巨人・渡部昇一氏の書いた「知的生活の方法」にある一節だ。
それは「日本の夏が日本人の知的向上の機会を奪っている」というものだった。
どういうことかというと、日本の夏の異常な蒸し暑さが人々の勉強や学習の効率を著しく下げるどころか、そうしたやる気さえ奪っているという指摘なんだ。
これが日本をダメにしている、という論なのだ。
渡部氏は当時欧州に留学していて、夏に日本に帰ってきて、いかに日本の蒸し暑さが異常で、勉強どころじゃない現実に気づいたのだ。
そこで彼は、当時は超高級品だったクーラーを手に入れた。
そうしたら、彼の日本での知的生産は飛躍的に伸びたという話だ。
もちろんその頃に比べ日本は豊かになり、クーラーもほとんどの家庭に普及した。
しかし、それでもこの蒸し暑い夏、それに加え連日の猛暑が続いているこの環境は、勉強に適しているとは到底言えまい。
日本人の精神に巣食う”SM的体質”
勉強だけではない、仕事もだ。
クールビズなんて言葉が出てきてかれこれ20年位経つが、今だに多くの日本人はネクタイつけて仕事をしている。
この光景を見て、ガイジンたちは一様に「クレイジーだ」という。
日本の夏の蒸し暑さが異常なことをよく知っているからだ。
それに加えて、ネクタイ、スーツを着用するのは、今だに軍国精神が残っていることを証明する狂気の沙汰だというわけだ。
今の経済はくりかえしの肉体労働ではなく、ソフトパワーつまり頭脳でしか、成長しない。
教育こそが経済成長のドライバー論は正しいが、しかし、肝心の頭脳が異常な暑さでやられている、ヘタっている。これでは意味がない。
日本の夏は6月から10月までの5ヶ月に及ぶ。
この期間、日本人の脳は休止する。
そして、経済も。
この本を読んだのは30年前と記憶しているが、「なに言ってんだろう」とその時はあまり気にもとめなかったんだ。
しかし、アメリカに行って、渡部昇一氏の指摘がよくわかった。
南部の一部を除いては、アメリカの夏は快適なんだ。
そう、カラッとしているんだよ。
暑いという温度の問題だけじゃないんだ、いかに蒸し暑さが人間の頭脳をヘトヘトにしてしまうかを実感したんだ。
日本の夏の異常なその生産性を容赦なく奪うおそろしいパワーに、日本人はまだ気づいていない。
キミのそのなんでも我慢しちゃう癖がいけないんだ。
まあ、野球部にいたお父さんだって、「水を飲むとバテるぞ」と言われて炎天下で水も飲まないで千本ノックを受けていたから、その意味のない精神論は家族的シンクロニシティ、いや国民的無意識に刷り込まれているのだ。
いい加減に気づけよ、夏のせいなんだ。
勉強が進まないのは、あなたはいつも自分のやる気のなさを責めてきた。自分の能力の不足のせいにしてきた。
ちがうんだ。すべて夏のせいなのだ。
何をバカな、というあなた。
アメリカに行ってごらんよ。
夏が快適だよ。
まあこのところの熱波は異常だけれど、それ以上に日本の蒸し暑さのほうがはるかに人間のやる気を奪っていることがわかるだろう。
今日のまとめは、確かに教育こそが経済を動かす唯一の手段だけれど、いくら教育をしても、日本の夏がある限り頭に入らない、ってことさ。
今日も最後まで読んでくれて、ありがとう。
じゃあ、また明日会おう。
暑いから、勉強するなよ(笑)
あ、忘れた、今日は昭和の話が出たから、彼女で締めよう。
「夏のせいかしら?」
そうさ。
野呂 一郎
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー
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