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今年、企業の最大の敵は”画面囚人”。

この記事を読んであなたが得られるかもしれない利益:デジタルマーケティングに噴出しつつある懐疑論。ワン・トゥ・ワン・マーケティングの終焉。”画面囚人”という「のののさん」発明のマーケティング・キーワード。

新PDCAを提案する



昨日の記事に

「ののの」さんから鋭い洞察が盛られたコメントを頂き、ご了解のもとに皆様とシェアさせていただきます。

確かに“兆候”というのは、データや文字では表せない“何か”に
あると僕も思います。ひろゆきの例えは秀逸ですね笑。

スマホやタブレット画面に囚われた人向け主体の
マーケティングはもう限界で、例えば献血や募金を呼びかけるなら、
街頭での呼びかけに分があるのは今も変わらないのではないか?
と感じたりします。

画面囚人に対して画面で訴えても、囚人の画面は
変わらないのでスキャンダル性が無い。
一瞬でも画面から引き離す、スキャンダラスな
紙媒体が有効なのかもしれませんね。

ちなみに僕はBRUTUS CASAという雑誌に魅力を感じます。

「ののの」さん

これまで何度も言ってきましたけれど、新時代のマーケティングは、のののさんのおっしゃる

データや文字では表せない“何か”

が最重要だと思うんです。

今、それをみんなAIに頼ろうとします。結果、市場の解釈、消費者の読みは同じになります。

日本は良くも悪くも、隣がやればウチも、式です。

マーケティングに限りませんが、企業の活動の基礎をいわゆるPDCAとすると、新しい時代の企業活動(マーケティング)は以下の図のようになるんじゃないでしょうか。

筆者作成

 書いたとおりですが、ポイントはPの市場を読むところを、AI等に頼るな、というところです。

この解釈に必要なのは、いつも僕が言っている普段の勉強です。

国内外いろんなところに住んだとか、外国語でいつも情報をとっているとか、議論が好きとか、計画段階でひとと違う感性、価値観を持っている人を企画段階に入れて下さい。

現代のマーケティングは”画面囚人”を理解することから始まる

スマホやタブレット画面に囚われた人向け主体の
マーケティングはもう限界で、例えば献血や募金を呼びかけるなら、
街頭での呼びかけに分があるのは今も変わらないのではないか?
と感じたりします。

「ののの」さん

のののさんの“画面囚人”という言葉は、今のマーケティングの最大の問題点を指摘しています。

https://www.google.com/url?sa=i&url=https%3A%2F%2Fwww.lifehacker.jp%2F2015%2F03%2F150320smartphone.html&psig=AOvVaw3LB4hwWdoUxlmUrP4OMxP6&ust=1641906450330000&source=images&cd=vfe&ved=2ahUKEwivpoqnoKf1AhVI-5QKHbDoBSEQr4kDegUIARDkAQ

スマホが身体の一部である現代人は(若者だけではない)、自分の興味の範囲だけで生きているんです。スマホがそうさせたとも言えますが。

ピンポイントで情報を検索し、それ以外のものには関心を持たない。

それを“画面囚人”と表現した、のののさんは天才だと思います。

彼ら彼女らが探し、行き着く先の情報のところに、広告を持って待ち構えれば、獲物が捕まる、そう考えるのがデジタルマーケティングです。

最適なターゲットに広告をぶつけることが、マーケティングの王道であれば、このデジタルマーケティングはまったくもって正しい。

しかし、のののさんは、

「画面囚人はデジタル広告もスルーする」
と言っているのです。

実は、これを裏書きする、ひろゆきも納得するデータがあるのです。

https://www.google.com/url?sa=i&url=https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fwatch%3Fv%3DuEsVk9fOZZI&psig=AOvVaw2A50fJJuleU6JjR223jMjr&ust=1641907400365000&source=images&cd=vfe&ved=2ahUKEwiJ6Yvso6f1AhUPvZQKHQweAb0Qr4kDegUIARDEAQ

昨日引用した、The Wall Street Journalにこんなくだりがありました。

「人間の目というのは、オンライン雑誌記事の隣に位置する広告なんかに目を留めない傾向があることを、企業はわかってきた。企業のデジタル広告の消費総額は2014年の7.6%から2020年の3.9%に落ちている」。

WSJ 2021年8月12日号

ほらほら、世界を見ると、企業はデジタル広告に懐疑的になってきてますよ。

同紙は続けてこう述べています。

「結局、デジタルマーケティングっていうのは、その広告が意味を持つのは、検索データを使う特定層にターゲットをあわせたときだけ、だ。アメリカでは、だから、デジタル広告収入の3分の2はグーグル、アマゾン、フェイスブックが独占してしまう」。

前掲WSJ

ターゲットにピッタリあった広告でも、見てくれなければ意味がありません。

同じ広告を出すんならば、新聞や雑誌のほうがいいんじゃないか。

https://www.google.com/url?sa=i&url=https%3A%2F%2Fdentsu-ho.com%2Farticles%2F5477&psig=AOvVaw1iwjz36tV8Ft-xJJkotQyE&ust=1641906550857000&source=images&cd=vfe&ved=2ahUKEwjQ-YHXoKf1AhVizYsBHdU0BwsQr4kDegUIARDUAQ

パラパラめくってくれるからです。でも、「画面囚人」たちはそんな使い方をしません、自分のほしい情報だけしか意識が向かないのです。

ワン・トゥ・ワン・マーケティングのおわり

画面囚人に対して画面で訴えても、囚人の画面は
変わらないのでスキャンダル性が無い。
一瞬でも画面から引き離す、スキャンダラスな
紙媒体が有効なのかもしれませんね。

どんなに彼ら彼女らの目指す情報のそばで

「ののの」さん

どんなに彼ら彼女ら囚人たちの目指す情報のそばで、踊ったり、歌ったり、怒ったり、つついたり、火を焚いたりしても虚しいんですよ。

全然無関心、だから。

デジタルマーケティングで画面囚人たちに、広告というメッセージをちまちま届けていても、広がらないですよ。

ワン・トゥ・ワン・マーケティングがいわれて久しいです。

その究極の形が、サイバースペース上で個人を追いかけるデジタルマーケティングと言われてきました。

しかし、個人にピンポイントとする、という一見合理的に見える行動が、逆にメッセージ広がらないという致命的な欠陥をあらわにしつつあります。

紙の媒体での雑誌広告、新聞広告、テレビCM、渋谷のでっかいビルボード(屋外広告の看板や掲示板)。

これらはワン・トゥ・ワン・マーケティングという観点から見ると、ダメだとされていますが、無関心の層の無意識に働きかけているという意味で、ピンポイントのデジタルマーケティングよりも遥かに、企業の広告費の使い方としていいんじゃないでしょうか。

https://www.google.com/url?sa=i&url=http%3A%2F%2Fkobaphoto.blogspot.com%2F2017%2F04%2Fblog-post.html&psig=AOvVaw10F58ldlBcuA7kJUsEowXF&ust=1641906688960000&source=images&cd=vfe&ved=2ahUKEwjdje-Yoaf1AhU00IsBHRK8BnUQr4kDegUIARDFAQ


いまのマーケターは「合理性の囚人」だ

今の企業は、二言目には「広告効果が」とかいい出すじゃないですか。

ビルボードの広告効果なんてわかるわけないでしょ。

でも、人々の目にそして、その下部の”潜在意識”とやらに必ず入ってますよ。

https://www.google.com/url?sa=i&url=https%3A%2F%2Fweb-sales.online%2F2021%2F05%2F16%2Fsennzaiishiki-katsuyou%2F&psig=AOvVaw1fxgc18yyZGglNtilQZzM2&ust=1641907706849000&source=images&cd=vfe&ved=2ahUKEwi0jp7-pKf1AhWuS_UHHS2BCJ0Qr4kDegQIARBM

「デジタルは広告効果がわかるから、企画会議で通りやすい」なんて、最近良く聞きますよね。

でも、それこそ「合理性の囚人」ですよ。のののさんの真似をして言えば。

おまけに、デジタル広告はスルーされやすいことも、わかってきました。

大企業の経営者の皆様、マーケターの皆様、それでも、今年も画面囚人たちに、かまうのですか。

のののさんの素敵な金言をもう一度、味わって下さい。

のののさんはマーケターが見逃している、わたしの言う“行間”とか“あいまい”についてわたしよりはるかに鋭い洞察とそれを表現する力をお持ちです。

今日のテーマに関連して、のののさんの次の記事にとても共感しています。

 今日も最後までお読み頂きありがとうございました。

ではまた、明日お目にかかることを楽しみにしています。

のののさん、ありがとうございました。

野呂 一郎 
清和大学教授/新潟プロレスアドバイザー

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