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間違いだらけド軍の危機管理と通訳起用。

この記事を読んであなたが得られるかも知れない利益:一平問題に関するドジャースの危機管理のほころびを指摘する。人材チョイスはさておき、新通訳の所作をみれば、ド軍の危機管理を含めた戦略は合理的なのかという疑問がわいてくる。通訳とはどうあるべきか、も考察する。トップ画はhttps://qr1.jp/bM95Nc

なぜそこでメモを取る?

大谷選手の一平問題に関しての先日の記者会見。

腑に落ちないのは、大谷選手が用意した文書を読み上げていたときに、通訳がメモをとっていたことです

https://qr1.jp/7k4UPB

メモを取るのは通訳が正確を期すために、当然のことですが、ここは大谷選手の手元にある原文の英訳を読み上げるべきです。

あろうことか、大谷選手の釈明の最も重要な部分、「捜査の関係で質疑応答は控える」という部分が訳し落ちていたという指摘もあり、なおいっそうここで生の通訳をした不適切さが、僕の中ではクローズアップされました。

通訳もダメだし、もっとだめなのは通訳を起用したド軍の幹部です。

大谷選手がなぜ、持ってきた書面を読み上げたか、それは正確を期すためです。

いや、そういうよりも、これはドジャースの公文書なのです。

この記者会見のために、ド軍幹部が広報、法律顧問たちとありとあらゆる観点から練りに練って、最後大谷選手、通訳を交えて話し合い、5者確認の上で、内容、使う単語、表現にも最新の注意を払って作り上げた、社運をかけた公文書なのです。

それをいちいち、ご丁寧にメモを取りながら通訳するとは。

通訳するのではなくて、英語のオリジナルの公文書を読むべきだったのです。絶対に間違いのないように、です。

それ一択です。

大谷選手には「絶対にこれ以外のことは言うな、アドリブ禁止」の令が下っていたはずです。

通訳なんてする状況じゃないんですって。

ド軍の貧弱な危機管理

きのうの記事で英語ライティングの重要性を説いたんですけれど、アメリカっていう国は移民の国なのに、マルチカルチュラル多文化なコミュニケーションが下手な国なんです。

どうしても自国の文化中心に考えてしまう、他国や多民族が自分たちと違う考えをする、ということを認めない

大谷選手の会見で感じたのは、そこです。

しっかりとこの件で大谷選手とド軍の考えや、法的な問題点、ド軍の抱える事情などをすり合わせ、「だから記者会見はこう進める」という理解を得たのでしょうか。

記者会見に異論が噴出したのは、訳し忘れを含め、「異文化危機管理」ができてなかったド軍の経営全体の問題です。

通訳の英語のレベルがどうのこうの、という話ではないのです

もちろん通訳も、まずい。

ノートなんて取るバカいるかよ、と猪木風にたしなめたいですね。

(まあ、メモを取るふりをしていたのかもしれないけど、ね)

https://qr1.jp/lbeFsr

本物の通訳ならば、最初っから全体会議に出席を志願し、流れを理解し、何が重要かを把握し、事前に問題点を把握し、主催者の通訳の使い方に必要があれば異議を唱えるべきなんです。

単にオファーがあった、頼まれた人物の言葉を英語に言い換えるだけ、なんてのは通訳として下の下、なんです。

世間は一平は意訳で、新通訳は直訳でどうのこうの、と言ってますけれど、そんなことはどうでもいいんですって。

でも、僕は新通訳さんがいいとか悪いとか、そういうことは言いませんよ。

悪いのは全部ドジャースなんですって。

要は企業の戦略、危機管理の問題ですって。

ってまた越中詩郎になっちゃった。(笑)

https://qr1.jp/SgHWLJ

野呂 一郎
清和大学教授

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