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普通の階段のつくりかた

お疲れ様です!

今回は「普通の階段のつくりかた」というテーマで初の有料noteにしてみたいと思います。
有料にしたのは試験的な意味とか大切な写真を添付しているからとか、知識や技術を強く願う人にお渡ししたいみたいな気持ちももちろんあるけど、写真撮りつつ書きながら仕事していたらすげぇ時間かかったからお給料的にはクソ赤字だ!だからお金は欲しい!!!(正直者)

詳しく説明しようとしたらかなりのボリュームになりました。なぜ書こうとしたかというと、僕が見習いのときは親方が肝心なところは教えてくれなかったりチャンスもなかったので、いつでも見れて実用性のある教科書があればなって思っていました。
独立されないよう囲いこむ人にありがちなんです。
今は階段ができない大工さん、やったことがない大工さんも増えました。初めてやる人、これからやる人の理解を深められたり、背中を押せたらいいなと思っています。

内容は専門的なことなので一般の人はもしかしたらわからないかもしれませんが、どう作るのかな?とか、すげぇことやってるな!と思ったらそれはそれで価値がある。なんだ簡単じゃん!って思えたらそれは仕事が簡単なのではなく、あなたがスゴい!
こういう内容は見習いくんやまだ未経験の大工さん以外にも設計やデザインの人や他種の職人さん、DIYの人なんかも興味あったりするかな?よかったら読んでください。

僕ら大工が作る階段は、皆さんが上り下りするために踏む部分である段板を、側板と呼ばれる化粧材にはめ込みながら固定するパターンか、
段板を固定するための下地を組み、そこに固定したあとに壁との取り合い部分を巾木(はばき)でおさめるパターンが一般的です。

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奥側の壁を見てもらって比較するとわかりやすいと思いますが、側板という一枚の板でスッキリ見えるように仕上がるか、巾木を階段なりに取り付けていき、段々と見えるように仕上がるか、壁際の見た目がこんな感じで変わりますね。どれくらい手間がかかるかや面倒かはさておき、難易度としては側板を使うほうが高いかなと僕は思います。

そこで今回紹介するのは、
【側板仕様のプレカット階段】になります。

プレカットと言ってもピンキリで、1度も切らずに完成するものもあるらしいですが(僕はまだ未経験)
僕が一番出会うのは「側板の掘り込み加工と、段板の粗切り」がしてあるプレカットです。このプレカット仕様だと側板や段板の最終的なカットは大工がやるので、正確にカットするには構造的な知識がなくてはいけません。これを完璧に理解して施工できないとヘンテコな階段しか作れないと思いますし、全て手作業で階段を作るようなことも難しいと思いますので、そう考えると職人としての階段をのぼるには手頃な仕事かもしれませんね、階段だけに(どスベり)

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こんな感じで掘り込みはしたけど長さは伸ばしてあるから現場合わせでやれよーって材料です。今の時代はこうしたプレカット階段が一般的ですが、やり方や使う道具は少しずつ大工さんによって違いもありますし、おさまりは会社によって指定があったり大工さん任せでも様々です。僕もいくつかある手段の中で一例として提示しているまでなので、そこはご理解ください。そしてプレカット階段とは言いましたがその他の仕様は
【ボード先貼り、蹴込み芯おさめ、2F〜3Fへの階段】になります。表記は尺貫法じゃなくメーター法というか「ミリ」で表記します。根本的な考え方は変わらないので当たり前に応用できるはずですが、1F〜2Fみたいに床がない吹き抜けだったり、ボード後貼りとか段鼻芯じゃないので、少しだけ気をつけてください。専門用語の違いが地域や親方によって違うからちょっと整理します

側板→がわいた。段板を固定する化粧材。簓(ささら)とか親板(おやいた)とも聞きますね。
軸柱→じくばしら。回り段をのせていく柱。親柱とか軸とか言う人もいます。
鉄砲→てっぽう。階段の直線部分。直(ちょく)とか言う人もいます。
段板→だんいた。実際に上がり下りするときに踏む部分。踏み板とか言う人もいます。

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ま、こんな感じでしょうか。他にも呼び方あったら教えてくれたら追記します。

それでは説明していきます〜!今回の階段の形はこれ


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