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わかりやすいジャズ (6)

渡辺貞夫さんというサックス奏者がいます。
まだご存命のはずです。

ちょうど僕が中学生の頃、80年ごろに全盛期を迎えていまして、
デイブ・グルーシンというアレンジャーと組み、
スティーブ・ガッドなんかの腕利きの音楽家を使って
作品を連発していました。

もともと50年代から活躍されていた方なので、
チャーリー・パーカーみたいな演奏も上手です。

このあたりのジャズは当時、フュージョンと呼ばれていて、
スイングジャーナル的な価値観では普及版のジャズ、という
位置づけをされていました。初心者向けね、みたいな。

最近話題にも上らなくなってきましたが、
フュージョンの筆頭格にウェザー・リポートがあります。

奇人ベーシスト、ジャコ・パストリアスのいたバンドです。
サックスはマイルスデイビスのとこにいたウェイン・ショーター。

このあたりの組み合わせはおそらくサンタナ近辺から
取ってきたのだろうと、今になるとわかります。

ジャズ、ラテン(キューバ、ブラジル、スペイン、サルサ系)と
ロックのビートという組み合わせ。

サンタナが複合系の音楽で一番成功した例だと思われます。
たしか、プエルトリコ系の方のはず。

60年代に入ってからですよね。
たぶん、一番最初はボサノバから。

アストラッドさん、かわいい。
(最近亡くなられましたね、残念)

この路線が発展していったのが、クラブ系とくっついたGo Go Penguin、
クラブ系からジャズを取り入れた Thundercatだと思っております。

こうなってくると、ブラコンあたりとの区別が難しい。
シャーデーあたりの質感が近くなる。

シャーデーもデビュー時、ジャズ系で紹介されていて、
おしゃれ系のジャズ扱いでした。

でもですね、正直言ってジャズじゃないだろ、と思ったのも事実で、
無理やり全盛時のブルーノート的世界に押し込もうとしていて、
ジャズがおしまいに近くなっているのを感じました。

スイングジャーナルは2010年に休刊になってるんですよね。

休刊前に2回くらい買った記憶がありますが、
まーひどい状態。
旧態依然ということばがぴったりくる雑誌で、
オーディオの広告雑誌になっていました。

そのオーディオの没落で、同時に沈没したような印象です。

これと同じ状態になっているのが、レコードコレクターズ誌。
創刊当初はジャズ系も頻繁に取り上げていたのが、
ここ20年位はロックの大御所ばかり。
それもCDの再発に合わせて特集し、無理やりヨイショする方法。

ロックの聴取者が高齢化していることを伺わせます。

正直言ってですね、ビートルズの作品、何回再発するんでしょうか。
ホワイトアルバムのボックスは、上げ底というか、
あまり意味なかったので、それ以降はどうでもよくなりました。

オリジナルの英国プレスが最高、みたいな話ばかりで、
スイングジャーナルの感じがそのままロックにうつった感じです。

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