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京都のジャズ喫茶、蝶類図鑑

もう今から40年近く前になるし、
おそらく店をたたむ直前に行ったのでしょう。
京都の「蝶類図鑑」というジャズ喫茶に行ったことがあります。

今から思えば、ジャズがサブカルとして成立していた
最後の頃でした。

団塊の世代が元気だったころの残滓のようなもので、
バブルに時代が向かう前のわずかな期間。

日本のジャズ喫茶、ジャズを聞かせてくれることが目的の、
アナログ盤全盛時の、コーヒーの味は二の次のような、
そんな喫茶店が存在していました。

ジャズ雑誌も元気なころで、日本全国のジャズ喫茶を
網羅した本が出版されていたりして、
ジャズオタクだった浪人生の僕は京都に行って、
ジャズ喫茶巡りをしたことがあります。

そのときまだ20歳くらい。

自分も還暦近くなっているので、経営者も引退されていると思います。
詳細はイラストを見てほしいのですが、
かなり異様な空間でした。

店内くらい、コーヒーあまりおいしくなかった?


店内の図解

この異様な空間、妙に気に入って数年後に行ったら、
あるべき入り口が潰されていて、店が閉店していました。

やっぱり京都って大学生が多いので、
商売としても成り立っていたのでしょう。

あと、「しあんくれーる」「パラゴン」もいった。
「しあんくれーる」は早世した詩人?の愛用した店。

今となっては偏屈な左翼思想に傾いた女性という印象。
自ら命を絶ったお方なので、記憶され、
日記が出版された(なぜ?)ので今でも語り継がれる。
そういう時代だったのでしょう。フリージャズと同じ時代かな。

「パラゴン」は軽自動車くらいある
JBLのスピーカーがあったなぁ。
パラゴン、昔はあこがれたけど、
今はもう大きいだけのような気がします。

今はYoutubeやサブスクリプションで、いろんな音楽が
お気軽に聞けるようになったから、今となっては
音楽のありがたみが下がっています。

しんあくれーるを紹介するHPを見ていても思うのですが、
60年代から70年代までは人が情熱的で、
サブカルにバックグラウンドでジャズがあるということは
後年から振り返ってのステレオタイプなのかもしれません。

学生運動を盛んにやっていた世代から、
昔話を色々聞かされましたが、ああいう時代はもう来ないでしょう。

それから後に似たような風俗や、思想がポピュラーに
ならなかったということがあの時代の特異性を際立たせています。

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