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多くの美容師が独立して突きつけられる絶望

美容師歴20年以上の経営者のつぶやきです。


コンビニよりも美容室が多い。殆どの美容室は少人数、5人未満の美容室が多数を占める。26万件以上。

これは実際にはそこまでないと思っている、閉業しても報告してないお店も多いからだ。それでも20万件以上はあるであろうだから多いのには変わりない。

勘違いしやすい売れる美容師

個人店とは逆に組織やマネジメントが得意な経営者は店舗を拡大していくこともできるだろう。

ただ、多くの美容室経営者は、現場の売れっ子スタイリストであることが多く、経営的な目線で店を拡大できるような視点を持っている人は私も含め多くないとは感じるところ。

そもそも美容が独立するということは転職することだということを理解するべきである。

この部分は機会があれば改めて書きたい。

美容室を立ち上げたいと考える人は、美容師個人のスタイリストとしての能力が高いのだろう。

自分の売り上げが上がらない人が美容師を続けることも、楽しむことも、生活することさえままならないようでは、多くの場合は離脱していくことも多いのが事実。

売り上げがないということは、給与が少ないことなのだ、そうはいっても生活設計など考えずに結婚や子供ができる、身の丈に合わない生活に、ドロップアウトしてしていく若者を多く見送ってきたのも事実だ。

ここが大きな落とし穴になりうるのだ。

お店では立場のあるポジションにつき、お客様からはある程度支持を得られ自分はできると勘違いしやすいのだ。

もちろん部下もいればある程度のマネジメントも可能だろう。
しかしそれは雇われていたお店での積み上げがあってこその結果だということだ。

突きつけられる現実

小さいながらも自分のお店を持つことができたとしよう。
そこで現実を知ることになる。
今まではお店の為に頑張ってきたから、これからは自分のお店の為に益々力が入るだろう。

そこで少し違和感が出てくることが多い。
あれ?前のお店ではお断りするくらい。時にはキャンセルが助かる、嬉しいこともあったのに、、、

そう始めからうまく言ことはすくない。

前の担当していたお客様にお知らせできるのならば、ある程度の売り上げを確保できるだろう。

3:3:3の法則というものがある(たしか)

お店についているお客様が3割
スタイリストについているお客様が3割
どちらもいかないお客様3割

立地や関係性など様々な要因があるが多くの場合はこの通りになることが多い。

指名売り上げ100万のスタイリストなら
始めはお祝いも込めて多くのお客様が来店してくれることもある。
半分程度来てくれたとしても50万
その後も通い続けてくださるのは30~40万程度に収まることが多い。

そうオープン景気が落ち着けば、初級スタイリスト並みの売り上げしか売り上げが成り立たず、焦る焦る

そうそこで気が付く、
お客様はあなたのお店を知らない、興味もない、
都心のテナントが空けば、また美容室か、、、

となる現実が迫ってくるのだ。

事実私も電話が鳴らすに、何度も自分の携帯で自分のお店に電話をしたのが、一度や二度ではない。

ストレスがたまり、足はしもやけに、髪のボリュームが気になり始め、皮膚科に通い、AGA宣告を受けたのもオープンして4か月後だったのは今でも忘れない。

それはそうと

そう前に勤めていたお店は、前のお店が求人も、集客も、サービス価格も、働きかたも、給与の保証も、福利厚生も、お店の備品、すべてお店がやってくれていたのです。

こんなはずではなかった

めちゃくちゃ忙しくも、充実し期待に胸を膨らませてオープンして少しづつ違和感がでてくる。

思ったよりうまくいかないぞ。

もちろん上手くいくサロンオーナーもいるだろう。
ただ初めからうまくいくサロンよりも苦労話を聞くことが多い

忙しくてもやるべきことをリストアップし営業と並行して進めていくことがマスト。

もちろん完璧になんてできない、

忙しいときには失客の掘り起こしなんて気にしないように、気が付かない方たちが悪い。

常に先回りしてお店を回していく必要があるのだ。

そこで必要なことが長期的な計画と段取り。

転ばぬ先の杖はやはり必要

これから美容室を開業することを目標にした場合に必要なことをざっくりとイメージしてみる

  1. コンセプトを明確にする:どんなお店にするのか(ターゲット)

  2. 資金調達: 必要な資金を確保する(自己資金、銀行融資、助成金等)

  3. 適切な物件の選定: 立地条件を考慮して物件を選ぶ。

  4. 物件の契約: 賃貸契約や購入契約を結ぶ。

  5. 店舗設計・内装工事: 店舗レイアウトと魅力的な内装を計画する。

  6. 美容室開業届の提出: 所轄の保健所に開業届を提出する。

  7. 必要な設備・材料の購入: シャンプー台、椅子、鏡など設備を揃える。

  8. 従業員の採用: 必要に応じてスタッフを採用する。

  9. サービスメニューの決定: 提供するサービスと価格を決める。

  10. 価格表示の準備: 消費者庁のガイドラインに従って価格表示を行う。

  11. 衛生管理・消防法規の遵守: 衛生管理や消防法の基準をクリアする。

  12. 決済システムの導入: クレジットカードでの支払い対応。

  13. POSシステムの導入: 予約管理や売上管理を効率化する。

  14. 広告・宣伝の計画: 開業前のプロモーション活動を計画する。

  15. ウェブサイト・SNSの開設: オンラインでの情報発信を開始する。

  16. 開業前トレーニング: スタッフに対する研修を行う。

  17. プレオープン: 試験営業を行って、運営のスムーズさを確認する。

  18. 正式オープン: グランドオープニングを実施する。

  19. 経営の見直し: 定期的に経営状況を分析し、必要に応じて改善策を講じる。

頭が痛くなりそうな段取りだが、これらを計画的に進めなければうまくいかない。私もオープン時にはこれをやっておけばよかったと振り返ることも多々ある。

今は情報がどこでも手に入る。その分情報の精査を間違えてしまう、迷ってしまうことも多い。

正しく最短でできるだけ少ない労力でうまくいく方法があれば、当時の私もどれほど効率的だったかと。
当時はしんどい思いも今となっては良い思い出だが、それは今でも継続できているからだ。
実際にうまくいかずに躓いてしまうことも少なくない。

これから開業を志す美容師には、しっかりと準備をして頑張ってほしい。

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