老人ホームで死ぬほどモテたい  上坂あゆ美(著)


老人ホームで死ぬほどモテたい


モテるだろうな、この人。
老人ホームのみならず、学校でも職場でも男にも女にもモテるだろうな。
現代短歌をつくる主に若い人たちの、とんがった歌が好きで最近よく読んでいる。
穂村弘や木下龍也の本を読んでいろんなひとを辿っているわけだ。
彼らは限られた字数の中に、ピリリと効いた毒を盛ってくる。そこがいい。
ためしに、死にたい夜に読んでみたらいい。
自分の代わりに何かが死んでくれる、きっと。
自分が手を下して殺したい代わりに何かが殺してくれるだろう。
じっさい、そうだった。

あると思った。
「はまゆう」っていうスナックが、あると思った。
自分の生まれ育った故郷にも、ひょっとしたらあるんじゃないか。
むらさき色した看板の、スナック「はまゆう」。
この事を歌にする彼女のセンスが好きである。
そしてそのセンスが、モテるファクターになるはずだ。

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