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現在、執筆中の作品は『織姫の継承ー祖母の機から紡ぐ一宮の未来』です。一宮は繊維の町として知られ、一宮七夕祭りも盛大に行われます。この織物と祭りの関係から着想を得て創作しています。
織物の技法に魅了される 織物教室に通い始めて数ヶ月が経った頃、真央は様々な織物の技法に魅了されるようになっていた。 古来から伝わる織りの技の数々は、真央の創造力を大いに刺激した。 ある日、吉田が風通織の制作工程を実演した。 真央は、経糸と緯糸が織りなす繊細な文様の美しさに息を呑んだ。 「佐藤さん、風通織の魅力って特別だと思わない?」実演を終えた吉田が、真央に語りかける。 「はい、本当にため息が出るほど美しいです…」 「風通織は、高度な技術と忍耐が必要
市役所での健太との再会 真央が夢に描いていた織物の世界。 その実現のため、真央は大学卒業後、一宮市役所に就職した。 伝統産業の振興を担当する部署への配属を希望し、見事にその夢をかなえたのだ。 市役所での仕事に意欲を燃やす真央。 しかしある日の出来事が、彼女の人生を大きく変えることになった。 織物関連の企業との打ち合わせのため、会議室に向かう真央。 ふと視線を感じて振り返ると、そこには見覚えのある顔があった。 「真央…?」 「健太君…!」