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★エッセイ集 視座

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エッセイを集めました。
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#性格

エッセイ 成長という名の旅

 学生は、自分自身という出発点から、学校という乗り物に乗って、成長という名の旅に出る。目的地が決まっている学生もいるかもしれないが、まだはっきり決まっていない学生の方が多いのではないか。小学校、中学校までは、私立に行かない限り、学校を自由に選べない。  学校は目的地を教えてはくれないが、学校の目的は明らかだ。特に公立の小、中学校までは。そもそも学校というところはA型的人間を育てるための、A型的組織なのだ。なぜならA型的秩序尊重人間の方が学校としても扱いやすいし、社会にとって

エッセイ 絶景と名勝の違い(改題)

 最近「絶景」という言葉をよく目にする。「いい景色」というより、「すごい景色」「想像を絶する景色」あるいは「空前絶後の景色」というような意味であろうかと勝手に解釈している。それに対して、こちらは昔から使われてきた言葉だが、「名勝」とか「景勝」と言った言葉もある。こちらの方が、なんとなく落ち着いた感じがすると思うのは、私だけだろうか。  景色に性格があるとすると(私お得意の「座標軸」をまたここでも持ち出して恐縮なのだが)山はA型、川とか海、水に関係したものはB型、平地はO型とな

エッセイ 経済学者は商人に学べ

 経済学の難しさは、研究対象である経済社会、経済行動が、日々変化していくところにある。医学の場合、研究対象となる人体は、長い目で見れば変化していくが、短期的には変化しない。変化するまでの間は、同一の内容と考えて研究ができる。この差は大きい。経済の予測が難しかったり、経済学がすぐに古くなってしまって世の中に対応していないのではないかという不信感が起こるのはそのためである。  有限な経済資源の有効な分配を考えるというのが経済学の使命だと聞いたことがあるが、それをやった挙句の果てが