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『Elegant Gypsy』Al Di Meola(1977年)(『エレガント・ジプシー』アル・ディ・メオラ)

エレガントな速弾きの悪魔

こんにちは。

今回はこちら、アル・ディメオラの名声を決定的にした記念すべき作品。
アルバムタイトルが示すように、スパニッシュな要素をふんだんに盛り込んだアルバムとなっております。

1 Flight Over Rio
2 Midnight Tango
3 Mediterranean Sundance
4 Race with Devil on Spanish Highway
5 Lady of Rome, Sister of Brazil
6 Elegant Gypsy Suite

んでもって、こちらがパーソネル

アル・ディ・メオラ (Al Di Meola) - ギター、シンセサイザー、パーカッション、ピアノ
スティーヴ・ガッド (Steve Gadd) - ドラム
レニー・ホワイト (Lenny White) - ドラム、パーカッション
アンソニー・ジャクソン (Anthony Jackson) - ベース
ヤン・ハマー (Jan Hammer) - キーボード
バリー・マイルズ (Barry Miles) - キーボード、アコースティックピアノ、シンセサイザー
ミンゴ・ルイス (Mingo Lewis) - キーボード、パーカッション
パコ・デ・ルシア (Paco De Lucia) - アコースティックギター (on 3)

メオラさんはチック・コリアの「リターン・トゥ・フォーエヴァー」に参加しており、その後独立してアルバムを発表。初期作品の頃からその卓越した演奏技術、速弾き、複雑なギターソロ・作曲により注目を集めていましたが、その頃からすでに地中海文化やフラメンコなどにみられるアコースティックなジャンルを探求し始めていました。
その好例がこのアルバム『エレガント・ジプシー』に収録された「Mediterranean Sundance(地中海の舞踏)」や「Lady of Rome, Sister of Brazil」といった曲に表現されています。
初期のアルバムは、他のロック・ギタリストにもジャズ・ギタリストにも同様に大きな影響を与えました。


普通、エレキギターでの速弾きはわかるんですが、この人はアコギでも同じ速さで弾くから、そこが凄いんですけど、しかも、右手でブリッジあたりに触れてミュートしながらの速弾きから段々ミュートを外した弾き方へと変わっていく弾き方には、開放感みたいなものを感じ、ソロの雰囲気を変えるのに一役買っています。

さて、アルバムの中身に入っていきましょう。


「地中海の舞踏」は歴史に残る名曲

一曲目「Flight Over Rio」。ゆったりとした感じから急転直下速くなります。冒頭を飾る曲としては非常に適した曲ですね。


二曲目のイントロに使われている少しキラキラしたエレピ(懐かしいなー)の音は当時流行っていました。いかにもヤン・ハマー的な音です。
この曲は構成も良く練られていて、それほど凄まじい速弾きは聴かれず、まさにフュージョンの王道を行くような曲となっています。曲が終わったと思ったら、いきなりコンゴやボンゴなどのパーカッションの音が鳴り始めます
(「Midnight Tang」)。この部分は三曲目への繋ぎのような箇所だと考えられます。


そして次の三曲目。このアルバムの最大の聴きどころである「Mediterranean Sundance(地中海の舞踏)」です。

この曲ほど世界中のジャズ系ギタリストからリスペクトされた曲もないでしょう。私もイントロだけ挑戦したことがありますが、最初のアルペジオ部分から躓きました。指がギリ届くらいです。
普通の人なら楽に届くのでしょうが、私は指が短いんです。

この曲は、スパニッシュギターの重鎮、パコ・デ・ルシアを迎えての二人のアコギ対決です。異種格闘技戦とでもいいましょうか、凄まじい戦いが繰り広げられています。メオラはピックで弾いてるからあれだけ速く弾けるんでしょうが、パコ・デ・ルシアは、指弾きですよね? 指弾きでメオラに負けないくらいのスピード感で迫ってきます。凄すぎです。

この「地中海の舞踏」は、その後メオラの人気曲、代表曲となり、その後発売された「Friday Night In San Francisco/Super Guitar trio Live!」など、様々な作品において演奏される機会が多い曲でもあります。

ジョン・マクラフリンが参加

1 地中海の舞踏/広い河
2 黒い森
3 フレボ
4 幻想組曲
5 ガーディアン・エンジェル


次の曲「Race With Devil On Spanish Highway」は、フュージョン版「Highway Star」とでもいいましょうか、前の曲の余韻に浸る暇も与えずに攻めてきます。

次の曲でやっとホッとできます。アコギが中心となった優しい曲。

そして最後の曲は、ゲストミュージシャンであるヤン・ハマーとの共演。この音は、どうしてもジェフ・ベック盤を思い出してしまいます。

といったところで、このアルバム、聴いたことが無い方にはおススメです。ついでに「Friday Night In San Francisco/Super Guitar trio Live!」も聴いておきましょう。


今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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