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藤森建築 その2

藤森照信さんとの仕事の中で言われた一言で、最も心に響いた言葉の一つが、「古色に媚びている」というもの。
室内で現しになっている無垢の柱や梁を、自然塗料で古材風に着色した時に言われた一言。
もちろん私の独断でやったわけではなくて、施主であるオーナーさんとも相談して決めたことなのだが、やはり動機が不純だったと反省した。

普段、住宅の建築をメインで仕事をやっていると、多くの場面で「媚びる」ことが日常的になってしまっている。
その原因は、法律やシステムによるものなのかもしれないが、気付かないうちに慣例のようになっていて、難しいことを考えなくても良いから自動的にそっちの方向へ行ってしまっていることがあるのも事実。
それを方向転換して修正することは意外と難しく、よほどの信念や理解ある依頼者がいないとそうならない。
だがそこで一番大事なのは、やはり作る人の信念なのだと思う。
そのことを藤森さんに教えていただいた。

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現場での作業が進み、打ち合わせを重ねるたびに、良い建築とは何かを深く考える機会をもらっている。
それが藤森建築の本質なのかもしれない。

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