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親父(義父)が集めた民藝品

嫁さんの父親さん(義父)がカメラマン時代、全国各地を撮影で旅した際に集めた、もしくは集まったモノたち。
実家の茶箪笥の中や段ボールに仕舞われていた品々が、事務所兼ギャラリーの完成前に届いていた。
その数段ボール箱で30個以上。

その中には、かつて青山でギャラリーをしていた、これまた嫁さんの叔母姉妹が店を閉めた時に、残っていた品や処分しきれなかった品々も含まれている。

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そんな思い入れのある品々を飾れる場所が、一昨年ようやく完成した。
かつて加工場として使っていた建物を、建築工房藁の事務所兼ギャラリーとして全面的に改修。
収納兼飾り棚を大工工事で作成。

義父母や叔母姉妹にも来てもらい、コレクション品の整理から陳列まで手伝ってもらった。
同時に、現役のカメラマンである義兄も呼び出して記録写真も撮ってもらいリストにまとめ、ようやく事務所に来てくれた人にも見てもらえるようになった。


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骨董とまではいかないが、民藝と呼ばれる趣のある品々が数多くあり、打ち合わせ等で来られた方が話そっちのけで見入ることもしばしば。

陶器やガラス、漆器や木製品などはもちろんだが、更にすごいのが豪華本と呼ばれる今となっては貴重な書籍の数々だ。

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嫁さんの実家に帰った時、応接間にあったこれらの本。
夏休みや正月に帰省して、やることがない時に嫁さんの実家でいつも読んでいたこれらの本が、本棚ごと我が家にやって来た。

中でも土門拳さんの本は、師匠である土門拳さんから、当時弟子であった義父に贈られたものがほとんどで、もちろん初版本であり「土門拳」のサインが入ったものが数多くある。

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インターネットやSNSが普及した現代、モノに魅力や価値を感じなくなった人が圧倒的に多くなってしまった時代。
こうした古き良き時代を象徴するようなモノや書物は、どちらかと言えば敬遠されがちだ。
しかし、一点一点手作りされた器やガラス器、大判のフイルムで撮った写真や丁寧に書かれた文章などは、こんな時代だからこそ見直されるべきであり、大袈裟に言えば日本人の宝のような気がする。

縁あって、我が家にやってきたモノ、書籍、写真の数々。
この、モノの価値が変わるまで、できるだけ長く引き継いで行きたいと感じている。

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