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秘密警察を宣伝してみる #毎週ショートショートnote

「おのれ、またしても秘密警察か」
激しくテーブルを叩く音が広間に響いた。
「サイアック様、言ったではありませんか。ワルイ・コトスキーには期待するなと」
サイアックがギロリと視線を向けた先で、インボウが眼鏡に指先を添えた。
「次は私にお任せください」
「何か策があるのか」
インボウが大きく頷く。
「秘密警察は秘密だからこそ価値があるのです。奴らを宣伝し、その秘密が公になればただの無能集団。恐るるに足りません」
インボウは秘密警察の存在を明るみにするため、電柱にポスターを貼り、駅前でチラシを配った。
やがて、秘密警察は誰もが知るところとなり弱体化した。
サイアックはここぞとばかりに学校給食のカレーの寸胴から少しずつ中身を掠めとり、誰にもバレずにカレーライスを食べる計画を実行に移した。
「そこまでだ!」
驚いて振り向くと、そこには秘密警察によく似た男たちが。
「内緒警察、ただいま参上!」
内緒警察がある限り、この世に悪は栄えない。

アマプラでシン・仮面ライダーを観た影響がこんなところに(笑)

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