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卒園製作

3月末、保育園で卒園式が開催され、我が子も無事卒園した。

通っていた保育園では、年長になると卒園製作をする。そして、卒園式で一人ずつみんなの前で発表する。保育園の集大成だ。

卒園製作のテーマも、作品作りも、説明も、全て自分でやる。
6歳が作るものだが、毎年どの作品も時間と手がかかっていて、個性豊かでおもしろい。

個人に自由研究のような卒園製作をさせるのはめずらしいと思う。なので、どんな保育園かを簡単に説明すると…
マンションの一室の園庭もない小さな保育園で、モンテッソーリを取り入れている。モンテッソーリ教育は著名人の名前と共に時折話題に上がるが、子どもにも親にも新鮮だった。モンテッソーリ効果かなと思う部分は、子どもがとても器用になったこと。折り鶴も余裕で作れる。
仕事復帰のため入れた園で、家からは近くも無かったが、子どもも親も大好きな園になった。
園の好きなところは、
本人がお仕事を選んで、本人がやめると言うまでやらせてくれるところ
伝統や文化を大切にするところ
ハサミや包丁や火など危険とされるものも使わせてくれるところ
本人が興味のあることには先生が協力してくれるところ
異年齢保育で弱い人への接し方を学べるところ
…考えると色々ある。

でも、小さな園で少人数のため、集団行動というものを知らなかったり、外遊びの時間が少なかったり、出来なかったこともたくさんある。
それでも、子ども達はこの保育園で大切な時間を過ごせたと思う。

そして、これまでの卒園製作。
テーマは個性豊かで
・数字
・昆虫
・ドレス
・刺繍
・馬
・車
・城
・世界の国
などがあった。
少人数なため、親はお友達も含めて把握しているから、「らしいな」と思うものや、「へぇー」と予想外に思うものもあった。

形にするのも様々で、部屋いっぱいになるまで数を書いたり、図鑑を作ったり、色々な生地を使ってデザインしたり、ミシンやアイロンを駆使して物を作ったり、図や表にしたり、実物大模型を作ったり…と形にするのも様々だった。

ちなみに我が子は、『城』をテーマに選んでいた。歴史が好きで、城も大好きなため、とても「らしい」テーマだった。
製作は模造紙サイズ。真ん中に日本地図を描き、周囲の海を塗り、別の紙に日本の有名なお城を描き、それに所在地と城名を記し、城のある位置を示す形で貼り付けていた。
発表では、まず一般的なお城の特徴を説明し、それから自分が描いた個々のお城の説明をした。説明には実際に観光した時の感想や、テレビや本からの情報も含まれていた。お城の絵は、写真を見ながら出来るだけ忠実に色を塗っていた。
好きなことをテーマにしていることもあり、堂々と止まることなく説明していた。
騒がしくて他の子より怒られることが多い我が子だったが、きちんと卒園製作を作ることが出来ていた。

(よく見ると北海道や沖縄が青く塗られている。発表後、短くなった青色クレヨンを誇らしげに見せてくれた。この海の絵で日本海も太平洋も北方領土も知った。)


子ども皆それぞれが一生懸命に自分の作品を説明している姿は、どの子も誇らしげで、胸が熱くなった。
どの作品も色々考え、試行錯誤した結果で、とても良い作品だった。発表していないこと以外にも色々なことを学んだのがわかった。

先生には本当に感謝する。
散歩がてら図書館に連れて行ってくれて必要な本を一緒に探してくれたり、インターネットで必要なことを調べてくれる手伝いをしてくれたり。製作に必要なものがあれば個人所有の物でも貸してくれたり。
やる気が出ない時や上手くいかない時の励ましなどもたくさんあったと思う。
先生の補助もあり、まだ小学校に上がる前の6歳児が、自分のやりたいことを考えて、自分で形にして、大人を含めた皆に説明するということが出来た。それは本当に凄い事だと思う。

自分で何かを決めるということは、大人でも迷うし、悩む。何かを形にするのは思ったようにいかないことも多い。
もっと上手くできたのではと思う部分もあるのかもしれないが、それも受け入れて、自分で最後までやり遂げたことは、大人も子どもも関係なく本当にすごいことだと思う。

この保育園に通わせることができて本当に良かった。
保育園にはずっとこの卒園製作を続けて欲しい。

製作を通じて、一つのことをやりきる力が少しつき、発表を通じて人に自分の好きなことを伝えて、聞いてもらえる嬉しさが少しわかったと思う。
今後もずっと自分の好きなことを堂々と言える人でいて欲しいし、他人の好きなことを貶さずに受け入れられる人になって欲しい。個性を大切にして、自分も他人のことも大切にできる人になって欲しい。


卒園式後に持ち帰りとなった大きな卒園製作に困りながらも、保育園にはたくさん感謝している。

保育園の先生、お友達、親御さん、皆さん本当にありがとうございました。



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