大学生の息子たちへ伝えたいこと 完全なる自由を獲得する編
資本主義社会では、法律に違反しなければ、金儲けは是です。
そのやり方は、問われません。
だから、ドラッグ・タバコ・ギャンブル・アルコール・甘いもの・スナック菓子などその身を滅ぼしかねない中毒性があるものも、宗教やネットワークビジネスなど利用者に多大な損害を与えうるものも、平然とすぐ手の届くところに存在しています。
世界は、明らかに有害なものの存在を、なぜ許しているのだろう?
子どもの頃から、私はずっと疑問に思っていました。
手塚治さんの「火の鳥」の中に、こういう話があります。
ひとつの惑星に、女王が国を開きました。
国民は皆勤勉で、禁欲的で、国は栄えました。
ある時、宇宙間行商人が酒やギャンブルなどあらゆる娯楽をもってやってきました。
あっという間にその国は衰退し、女王は悲しむという結末でした。
この話を初めて読んだ時、中学生だった私は、弟たちに、問いかけました。
「女王は、どうしてあらゆる娯楽が入ってくることを許したんだろう。ジャンクフードもアルコールも、売春も何もかもなくせば、安全で平和な世界が続いていたのに。」
弟たちは、答えました。
「姉ちゃん、そんな世界は全く面白くないよ。まるで刑務所じゃん。俺はそんな世界に生きるくらいなら、死んだ方がいいわ。」
衝撃!!!
そんなふうに思う人もいるのだ!
なるほど、自由というのは、あらゆる選択肢の中から、自分の意思で何でも選ぶことができる状態のことをいう。
神や統治者や親や教師に禁止事項を設定されるのは、保護が必要な子ども時代まで。
大人になれば、お金もエネルギーも能力も時間も、完全に自由に使っていいのだ。
20歳のあなたたちは、このサバイバルな現代で、長い人生を全うするチャンスを与えられた。
バーチャルリアリティのように美しく精緻なだけでない現実世界だけど、心を揺さぶられるような体験も、頭に隕石がぶち当たるような衝撃も、たくさん用意されている。
それらをいくつつかみ取るかは、自分次第。
火の鳥みたいに、熱く自由に気まぐれに、楽しんで生きて欲しいなと願う。
人間の身体は、大変複雑で、絶妙なバランスで成り立っています。
ひとつの受精卵が、母親の胎内で細胞分裂を繰り返し、胎児になります。
そして、この世にひとりとして、自分と同じ人間はいないのです。
一卵性双生児のようにDNAが同じであっても、育つ過程で異なる人格を持つようになります。
ひとりひとりの人間が、まるで奇跡のような存在です。
だからこそ、今の自分を大切にして欲しいです。
元気でいることは、当たり前ではありません。
失って、最も後悔するものは、健康かもしれません。
自分の特性を知り、身体や心、脳の仕組みを学び、できるだけ長く健やかに過ごせるように、努めて下さい。
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