ハートの絆創膏
小学校6年生の時の運動会、わたしはリレーの選手に選ばれました。
当時から逃げ足だけは速かったのですw
今でもずっと心の奥にある素敵な出来事をお話させてください…
予行練習の時、わたしは大転倒してしまいました
恥ずかしさと自分の不甲斐なさ、何よりもクラスのみんなの期待を一瞬で裏切ってしまった罪悪感で胸がいっぱいでしたが、不思議と涙はでなかったのです
トボトボとクラス席に戻ると、友達が
「のりちゃん、膝から血が出てる!」と駆け寄ってきたのです
痛さも何も感じず、ただ…申し訳ない気持ちでいっぱいだったわたしは
自分の膝の傷を見た途端、急に痛いかも…を感じ始めました。
気の利くクラスには必ずいるお姉さん的な友達が
「保健係さん!保健室に連れて行ってあげて!」と早速支持。
そうしている間も血が思いの外、けっこうな勢いで流れていて、わたしの近くにいたクロハマチコちゃんはとっさに
自分の体操服の左肩についている小さなポケットの布を引きちぎって
わたしの膝にそっと押し当ててくれました
わたしはどう表現して良いのかわからない感情がどどーッと沸き上がり
涙が一気に流れ出したのです
この歳にになってもどう言葉で表現して良いのかわかりませんが
多分…琴線に触れたことは間違いないのです
涙はその後も流れては落ち続け、クラスの野次馬男子には
「そのくらいの傷で泣くなよ!」と訳の分からぬヤジまで受ける始末
だけど、マチコちゃんは「痛い?」と心配そうな顔でわたしの傍にずっといてくれました
マチコちゃんの左肩にあったポケットは剥がされたおかげで、ぽっかりと穴が空いてたことを運動会シーズンになるたびに思い出します
このマチコちゃんの体操服はマチコちゃんの物ではないのです…実は
学校指定の物ではないことは初めからわかっていました
彼女には中学生のお兄ちゃんとおねえちゃんがいます
兄妹あるあるですが、お母さんはどの体操服が誰のだか不明事件が起こります、多分間違ってしまったのでしょう
自分の体操服なら未だしも、お兄ちゃんやおねえちゃんの物を断りもなくポケットを破いてしまったとなれば、兄妹ケンカに発展するかもしれません
しかもまだ小学6年生にちゃんと事の成り行きを説明することもままならないことでしょう
わたしは無事に保健室で手当てを受け、担任の先生に今日の出来事をどうしても話さなきゃ!と思い、放課後職員室を訪ねました
このことを話しておかないとマチコちゃんはお家の人に怒られてしまうのが嫌だったのです…
最後、先生に「先生、お願いだから今日のことをマチコちゃんのお母さんに言ってください」とペコリしたことを覚えてます
先生は優しく「わかったよ、先生からいっておくね」と仰ってくれました
そのあと、彼女は本当に怒られなかったのかはわかりません
その後、彼女はみんなと同じ中学ではなく、よその中学校に進み…
あれからどうしているのかはわかりませんが、
彼女が貼ってくれた心の絆創膏は私の中で色あせることなくずっと剥がされずに残っています
今では5月、6月が主流の運動会
あの頃は9月、10月だったなぁ…
虫の鳴き声や秋の風の匂いを感じるとフッと蘇るあの日の思い出です
彼女がとっさにしてくれた手当は今のわたしの心の礎になっています
いま「ここ」を生きていた子どもの頃…
誰かのために何かをしたいと思うことは愛でしかありません
彼女のようで在りたい
愛を最初にみせてくれた人
それはマチコちゃんでした
ありがとう♡マチコちゃん
たくさんの愛をこめて♡
Share the love♡Nori
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