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カツアゲ。

髪の毛をドライヤーで乾かしていた時にふと蘇った思い出です。お金を稼ぐブロックになっていた可能性もあるので、noteに残しておきたいと思います。

小学5or6年生の時に人生初めての『カツアゲ』とやらに遭いました。相手は家の近所の中学生2人組。
私の家のすぐそばに公立の小学校も中学校もあるのに、私は国立の小学校に通っていました。
国立の小学校は昔から、お金持ちの子供が行くようなところという謎のイメージがあったようで、この中学生女子2人は私の帰宅を待ち構えていたようです。

「ねぇ!あんた附属でしょ?お金持ってるでしょ?出しなよ」

「え?お金…持ってない」

彼女たちは行く手を阻むかのように、私の前に立ちはだかったのです。これだけでもかなりの恐怖。

「持ってないわけないでしょ?財布は?」

私はランドセルのポケットにあったポパイがプリントしてあっただろう黄色いお財布を出して中身を出した。ポパイは長年使っていたお財布で、ポケットにずっとしまってあったため、擦れてプリントが消えかかっていました。
全然、強くないポパイに成り下がってました。

120円… 100円玉一枚と10円玉2枚。

「これだけ?もっと持ってるでしょ!」
2人組の片方は苛立った声で問うてきました。

「無いです」
そう言いながら、ランドセルの中身を私は地べたに出していきました。
とても怖くて手が震えていたように記憶しています。心の中では証明しないと何かもっと怖いことが起こるのではないか?とそのことだけを考えていました。

その頃は何か遭った時のために、公衆電話代だけを持たせるように学校から言われていたのです。もちろん携帯なんかは無い時代。

彼女たちは諦めて、私の手から120円を奪って反対の方向に逃げて行きました。私はその場から走って家に帰ったこと、いつまでも心臓がドキドキしていたことが鮮明に記憶として残っています。

当時、私は祖父母と3人で暮らしていました。
帰るや否や祖母にその出来事の一部始終を話したのです。
それからというもの祖母は私が帰って来るであろう時間を見越して、バス停にお迎えに来てくれるようになりました。
これは本当に心強かったし、嬉しかったのです。
しばらく祖母のお迎えが続きましたが、もう大丈夫な感じもあったので、お迎えも無しで帰宅。
お金は盗られてしまったけど、それからは何事もなく時が過ぎていきました。その出来事も自分の中で風化していったのでしょう。

しかし、またあのドキドキを体験するのです。
あれからしばらく経ったある日、私は祖母と一緒にスーパーへと出かけた際、2人組の片方がお母さんらしき人と買い物に来ているではありませんか!
私はとっさに祖母に「おばあちゃん、あの子だよ!お金盗った子」
そう言うと祖母は戦闘態勢に…目がギュッとつりあがり「よし!」と気合を入れて、その親のもとに…

この時、私は祖母に言ってしまった自分を深く深く反省…言わなきゃよかった。とっさに袋詰め専用の台に身を潜めました。

「あの、お母さんよ…あなたのお子さんがうちの孫からお金を盗ったんだよ」
それを聞いたお母さんは
「あ、すいません。お返しします。いくらお支払いすれば…」

祖母は続けて、
「お金を返して欲しいんじゃないんだよ。あんたが愛情を娘にやってないからなんだよ、よそから盗ろうとするんだよ。ちょっと、娘さんも呼んで」

そう言うと、そのお母さんは娘を呼び、まずは祖母に2人で謝罪。
その後3人で何やら話をしていていました。
話の内容はわかりません。
話が終わると、2人を先に帰したようで、私はようやく祖母のもとへ…

「ね、おばあちゃん…あんなこと言ったら、また待ち伏せされるよ…」
私は泣きながら祖母に伝えました。
しかし、祖母は
「ここまで言ってわからなかったら、一生わかんねーわ」と一言。
小学生の私には全く意味不明。

私の祖母は助産師をしていました。
これは私の推測でしかありませんが、多分…祖母のことです、母親と子どもの結びつきのことを話していたんじゃないかな?とも。

このことがあってから私はいつもビビりながら下校していましたが、再びカツアゲを経験することなく過ごしていました。

またいつものように祖母とスーパーへ出かける途中、偶然あの日のお母さんに遭遇。祖母も私もすっかり忘れていたので、普通に通りすがろうとしていると、
「あの…その節は大変失礼しました」と声をかけてくるではありませんか…
祖母は「あっ!」とは言ったものの、多分わかっていないだろうなという体。お年寄りあるあるw

あの日のお母さんは続けて
「あれから娘が変わったんですよ。言ってくださって本当に良かった、ありがとうございます」
多分、忘れているであろうなという祖母は笑顔で
「それは良かった、良かった」と伝えていました。

話の内容は全くわかりませんが、祖母はお金を盗った云々の話ではない、違う話をしたんだと思うのです。
もしそうだとしたら、何をどう話したんだろう…
今はもう訊ねることはできませんが、祖母は私の母に
「ノリコのこと、ギュッと抱きしめてやれよ。抱きしめるだけでいいんだからな」と口癖のように言っていたらしいのです。
両親と私が離れて暮らしていた分、祖母は母に愛情を伝える術を諭していたのでしょう。

冒頭、私のお金のブロックに関係がありそうなのでnoteに記しておこうと書き始めましたが、ちょっと主旨が変わってきた感じ…

もちろん、お金を持っていると誰かに盗られるんじゃないか?というブロックはあったように思えるのです。なので、ATMから引き出す金額が小さい額だったり、大きな額を持ち歩くと異常なドキドキを感じたりw

書き進めていると、目の前に起こる出来事は何かを見つめなおすために起きているのであって、そこが問題ではないということ。
それには俯瞰して物事をみるチカラが必要なんだと、祖母に教わったような気がします。

口は悪いとても強い祖母でしたが、いつも私に惜しみなく愛を与えてくれた人でした。今度は私が祖母に代わって、愛とやらを伝えていけたらいいな♡

たくさんの愛をこめて
Shre the love♡Nori






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