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解説【#2】命を吹き込むコマ撮り ストップモーション

みなさん、こんにちは。図工家の「のりしろ太郎」です。
私は日頃、絵を描いたり、工作をしたり、映像制作をしたり、クリエイティブな毎日を過ごしています。2021年10月8日(金)18時に「図工家のりしろ太郎」YouTubeチャンネル記念すべき第一本目『紙と鉛筆だけでつくれる2コマアニメ
「マジックロール」』の動画を公開させていただきました。そして第2弾が10月15日(金)18時に公開となったこの『命を吹き込むコマ撮り「ストップモーション」』です。
なお、このチャンネルではより「つくる面白さ、創造する楽しさ」をみなさんに届けられるようコンテンツづくりを行っていくつもりです。まずは目標として、チャンネル登録者1000人を掲げて励んでいます。どうぞ皆様チャンネル登録をよろしくお願いします。




〈 YouTube 〉
【#2】 命を吹き込むコマ撮り ストップモーション

【 YouTube投稿動画へのリンクはこちらから】



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命を吹き込むコマ撮り「ストップモーション」

それでは、早速第2回は、命を吹き込むコマ撮り「ストップモーション」について解説させていただきます。この投稿記事では、YouTubeでお話しさせていただいた内容に補足し、使用した機材の紹介などを追記しています。動画ご視聴と合わせてご覧いただけたらと思います。

前回は、紙と鉛筆だけでつくる2コマアニメ「マジックロール」を行いました。今回のテーマ「ストップモーション」にも繋がるので、おさらいも兼ねて、前回「マジックロール」を振り返ってみましょう。


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マジックロールとは、紙と鉛筆さえあればつくれる、たった2コマで表現するアニメーションの技法です。


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マジックロールで描いた2コマコマの絵をパソコンに取り込み、デジタル化してみましょう。無事パソコンに取り込み2つの画像ができました。この2つの画像を1秒間に2コマ再生します。キビキビと小気味の良い、なかなか面白いアニメに仕上がっていますね。


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フレームレートとは

一秒間に再生するコマ数をフレームレートと呼びます。単位はfpsです。1秒間に2コマ再生するこのアニメの場合は2fpsとなります。皆さんいつも観ているテレビは29.97fps。1秒間に約30コマ。アニメや映画は24fps。1秒間に24コマで構成されることが多いようです。今回はマジックロールのように紙と鉛筆ではではなく、デジカメを使ってアニメづくりをします。フレームレートを意識しながら撮影しましょう。動かないモノに命を吹き込むコマ撮り「ストップモーション」の技法に挑戦です。皆さんもご一緒に楽しみましょう!では、はじまり始まり〜


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撮影に必要な機材

今回のコマ撮り「ストップモーション」で使用する機材はデジカメです。レンズ交換式のミラーレス一眼カメラはとても使い勝手が良いです。お持ちではない方は、コンパクトデジカメやスマホでもかまいません。カメラをブレずに撮影するために三脚があるとなお良いですね。ブレずに撮影すると作品のクオリティが格段に向上します。照明も撮影の強い味方になります。屋内撮影は思いのほか暗いんです。ビデオ用の照明は大きなものから小さなもの、かたちも様々あります。

のりしろ太郎が撮影で使用した主なカメラと関連アクセサリー

メインカメラはフルフレームセンサーを持つミラーレス一眼カメラのPanasonic LUMIX S1、サブカメラにLUMIX S5、それからもう一台サブカメラにSONYのシネマラインミラーレス一眼カメラ α FX3の三台です。ミラーレス一眼がなくてもコンパクトデジカメやスマホ、タブレットでもカメラ搭載の機種であれば撮影できますので、まずは、ご自宅にある使い慣れたカメラをお使いください。
三脚と雲台はマンフロット社製です。商品リンクを貼っておきます。ご参考までに。


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LED照明「Aputure Light Storm 300X」

私は照度や色温度照度の調整できるビデオライトをメインに使っています。被写体を直接照らさず、天井に向けて間接的にバウンスして照らすことにしました。


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専用のライトがなくても、ライトスタンドやクリップライト専用のでも代用できます。ライトがあるのとないのとで随分雰囲気が変わります。ご自宅にライトがないかお探しください。なけらば安価クリップライトが一つあると重宝しますよ。



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カメラや三脚、ライトなどの撮影機材だけでなく、写真を動画にするため、パソコンと画像・映像編集できるアプリが必要になってきます。私は画像加工やアニメを作成できるアドビのPhotoshopや同じくアドビの映像編集ソフトPremiereというアプリを使っています。どちらもプロ御用達のとても有名なアプリです。お持ちではない方は、その他にもいろんなアプリがありますので自分に合った使いやすいアプリを探してお試しください。



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出演する小物たち

主役は、そうですねぇ...引き出しの中にあった旧車のミニカー。ミニカーにはトミカですが、いろんな車種が発売されていて楽しいです。トミカの中でもトミカ プレミアムやトミカリミテッドヴィンテージは珍しい車種も発売しており、ついついコレクションしたくなります。あとは雰囲気を出すために鉄道模型用の木々を何本か。文房具なんかも動き出すと面白いかもしれません。役者が揃いました。カメラや照明など撮影機材の準備が整いました。


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上空にカメラを取り付けて、俯瞰撮影も試みます。俯瞰撮影の機材について知りたい方は下記の記事に詳しく書かれておりますので、ご一読ください。



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ストップモーション

さて、コマ撮りストップモーションでのフレームレートについて試してみよう。まずはじめに、マジックロールと同じく1秒で2コマ再生、2fpsを試します。
まずは1コマ目 カシャッ  次に2コマ目... カシャッ


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撮影した写真がこちらの2枚です。
1秒間に2コマで構成するフレームレート2fpsで繰り返し再生してみましょう。
画面の端から端へと車を移動させ撮影しましたが、2コマのフレームレート2fpsでは滑らかさに欠けますね。それでは、1秒間に5コマ、5fpsではどうでしょうか。


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まずは1コマ目をカシャッ。
2コマ目をカシャッ。
3コマ目をカシャッ。
4コマ目カシャッ。
5コマ目カシャッ。
5枚の写真を撮影し並べました。


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1秒間に5コマ、フレームレート5fpsで連続して再生してみましょう。
フレームレート2fpsに比べて5fpsは、ずいぶんと滑らかな動きになりましたね。


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1秒間に10コマ、フレームレート10fpsではどうでしょうか。
1コマあたり0.1秒で再生する10fpsでは、とても滑らかな動きに仕上がりました。これなら自然で、十分に滑らかな満足のいくアニメーションです。10fpsくらいの速さをイメージしながら撮影することにします。それでは撮影開始!


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撮影のコツを伝授

撮影のコツを伝授します。被写体を少しづつ動かす、とにかく地味〜ぃな作業の連続。大きく動かさず、ちょっとづつ動かすこと気を抜かず慎重に作業を行うこと。これに尽きます。


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卓上での撮影ができるように小型三脚も使いました。軽い三脚は、シャッターボタンを押した際のわずかな力でも微妙に動くことがあります。動かないよう、より細心の注意が必要です。もし入手可能であれば、小型軽量な三脚よりもより大きくて重い、ずっしりとした三脚をオススメします。


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撮影アドバイスと心得

アドバイスする側としてなんですが、今回の撮影の際に私は、三脚がズレたり、木々に触れ動いたりといったミスがありました。寺の修行僧になった気持ちで、平常心を持ち集中した作業が必要です。撮影現場で必要なのは「集中力」と「根気」「忍耐」なのです。クリエイティブな世界は一見すると派手に見えますが、地味ぃ〜な作業の連続なのです。
気の遠くなる細やかな作業が進む中、心の中で流れてくるメロディは、プロフェッショナルや情熱大陸のテーマソングでしょう。
ストップモーション、撮影の流儀... 「根気」「忍耐」
根気、根気、根気!忍耐〜っ!


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反省点

もう一つ私が撮影で反省点があります。それはボケ味。被写界深度が浅さ、深さなんて言い方もします。被写界深度が浅すぎて、フォーカスが合う範囲が狭すぎた写真が多かったことです。カメラとレンズの設定がとても大事であると痛感しました。
写真の色温度、白さを調整するホワイトバランスの設定もとても大事です。そんなこんなで、おしゃべりしている間に撮影終了!


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フレームレート 10fps
1秒あたり10コマ 1コマ0.1秒に設定

いざスタート!
撮影中に木に触れ、不意に動いてしまうハプニング!ちょっとづつ動かすことを意識しすぎたのか、思っていたよりスピードが遅かった。

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鉛筆橋を渡るシーンはなかなかの臨場感。
マクロレンズを使った近距離撮影。この時に赤い車の前輪ホイールがないことに気づく。カメラに向かって迫る車は迫力があります。ホイールが外れたマツダコスモ。気になってしょうがない...細かく動かしたためスピード感が出ていなかった...


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ここでMONO消しゴムが登場!文房具が走り出すユーモアを加えました。脚本を考えず思いつくままに撮影してしまいストーリーはまるでない。上空に設置したサブカメラからの俯瞰撮影は、まるでドローンの空撮撮影みたい。


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動画が進むにつれて... いつしかレースという設定に。夕刻のやわらかい日差し。いよいよレース終盤...ついにゴール! 赤い車マツダコスモが一着!二着は白いダウンエース。フレームレート10fps。
1コマ0.1秒のストップモーションの世界いかがだったでしょうか?何も考えず行き当たりばったりのアドリブ撮影だったり、カメラやレンズの設定ミス、不注意に木に触れたりとミスがあったものの撮影終了しました。シナリオを練ったり、カメラやレンズの設定を念入りにしたり事前準備すれば、より面白い作品に仕上がることでしょう。場数踏まずに上達なし!森山大道やスピルバーグになりきって、シャッターをどんどん切り作品を撮るべし!ですね。


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フレームレート 24fps
1秒あたり24コマ 1コマ0.04秒に設定

フレームレート10fpsに比べて24fpsはスピード感が増しました。もう少し動きが早くても良いかなというシーンもありますが、随分と良くなったのではないでしょうか。撮影した写真は同じでも、フレームレートを変えるだけでも観え方が違いますね。少しづつ動かせばスピード感は遅いけど滑らかな動きになり、大胆に大きく動かせばスピード感は速いけど唐突な動きになる。フレームレートと被写体をどの程度動かすかが、ストップモーションの肝だということがわかりました。引きで撮ったり、よりで撮ったり、カメラの画角を工夫したり、逆光、順光、照明を工夫したり、シナリオを練って、より面白い作品づくりをしていきたいですね。
もうひと作品用意したので、おまけでこちらもどうぞご覧ください。


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次なる作品は「玉乗りサーカス」です

頭・手足が加増するステッドラー社の人型定規が主役です。それから円柱の赤い積木がひとつ。人型定規と積木を床に置き、真上方向にカメラをセットします。
フレームレート 5fps
1秒あたり5コマ 1コマ0.2秒に設定 合計6コマです
さきほどのミニカーと同じよう、少し動かしては撮影することを繰り返します。たった6コマで構成された作品なので、あっという間に終わります。ではどうぞ!

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瞬きしている間に見逃した方のためにもう一度。今度は5回連続再生します。いかがだったでしょうか?

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今回は、命を吹き込むコマ撮り「ストップモーション」に挑戦しました。ストップモーションは、ひとコマ、ひとコマの撮影は大変根気がいるものでした。カメラやレンズの知識とスキルはもちろんのこと、編集アプリのスキルも必要です。私が愛用している機材やアプリについて知りたい方もいるのではないかと思います。そのあたりも掘り下げて、またの機会にお伝えしたいと思います。さぁ、あなたは未来のクリエイター「創作することの楽しさ」を見つけてください!


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【次回予告】ストップモーション第二弾「クレイアニメーション」

命を吹き込むコマ撮りストップモーション第二弾!待望のクレイアニメーションに挑戦します!とても面白い予感、お見逃しなく!お楽しみに!


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図画工作、デザイン、アートに関心がある方は、図工家のりしろ太郎YouTubeチャンネルを登録してくださいね☆ではまたお会いしましょう、さようなら。のりしろ太郎でした。

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*記事中の商品リンクは、Amazonアソシエイトを利用しております。商品の詳細につきましてはAmazonでご確認いただけます。これから機材のご購入を検討されている方の参考になればと思います。









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