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解説【3】ストップモーション第二弾「クレイアニメーション」をつくる

みなさん、こんにちは。図工家の「のりしろ太郎」です。
私は日頃、絵を描いたり、工作をしたり、映像制作をしたり、クリエイティブな毎日を過ごしています。「図工家のりしろ太郎」YouTubeチャンネルでは、第1回『紙と鉛筆だけでつくれる2コマアニメ「マジックロール」』、第2回「命を吹き込むコマ撮り ストップモーション」、そして明日10月22日(金)18時より、第三回『ストップモーション第二弾「クレイアニメーション」』が公開となります。公開より一足早く、この動画の解説をさせていただきます。なお動画のURLは公開後にリンクを貼らせていただきます。


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〈 YouTube 〉
【#3】ストップモーション第二弾「クレイアニメーション」


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ストップモーション第二弾「クレイアニメーション」

第3回は、命を吹き込むコマ撮りストップモーション第二弾!
皆さん待望の「クレイアニメーション」です。この投稿記事では、YouTube内でお話しさせていただいた内容に補足し、加えて使用機材の紹介などを追記しました。動画ご視聴と合わせてご覧いただけたらと思います。

なおこの動画は10月22日(金)18時より公開となります。22日(金)18時以前では視聴できませんのでご注意ください。

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前回のおさらい

今回のテーマに繋がりますので、おさらいとして前回 第二回の「ストップモーション」について振り返ってみましょう。コマ撮り「ストップモーション」は、ひとコマ動かしては「カシャッ」と撮影します。何度も、動かし撮影...動かし撮影...これを繰り返していきます。地道な作業の連続ですが、本来動かないものが動くという、命を吹き込むコマ撮りストップモーションの醍醐味を味わえました。将来は映画製作がしたいと夢を抱くアナタ!ぜひ挑戦してください。きっと、作品制作を通して、多くの発見があることでしょう。


今回のテーマの「クレイアニメーション」

そして、今回 第3回のテーマの「クレイアニメーション」。前回で学んだコマ撮り「ストップモーション」の技法でクレイ(粘土)を使ってアニメーションをつくります。粘土という素材は、自在に形を変えることができるのでストップモーションに最適な素材と言えます。


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粘土の種類

それでは、さっそく解説させていただきます。クレイアニメーションで使用する粘土の種類について解説します。
日頃、私が使用する粘土は小麦粘土と油粘土です。それぞれに良さがあります。まずは小麦粘土の特徴です。

小麦粘土の特徴

小麦粘土は、主成分が小麦からできている粘土でおもちゃ屋さんや文房具店などの店頭に置かれていることが多く、入手しやすくリーズナブルな価格が特長です。

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粘土はやわらかいので造形しやすく、力の弱い小さな子でも扱いやすいです。触った際にベタベタせず、さらっとした肌触りで手が汚れない点も嬉しいポイント。小麦粘土は、これからクレイアニメをはじめようという方には、お手軽に始められ、扱いやすく、おすすめです。入門者に最適な粘土と言えます。
ウイークポイントは、やわらかいので腰が弱く、ふにゃふにゃしていること。そして乾燥に弱く、時間が経過するとひび割れしやすい点です。


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〈!〉 ご注意

主成分が小麦なので、小麦アレルギーの方は十分に注意が必要なことです。


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おすすめする小麦粘土

私がおすすめする小麦粘土は「プレイ・ドー」という粘土です。
カラーバリエーションが豊富で、程よくやわらかいので扱いやすく、とても品質が良いので、おすすめしています。私も20年前頃から好んでこの「プレイ・ドー」を使用しています。



油粘土の特徴

つづいて油粘土の特徴です。
小麦粘土に比べて固いので、こねにくく、幼い子には不向きかなと思いますが、この硬さがかえって、形が崩れず造形しやすいです。そして何よりも乾燥しにくい。油粘土のメリットはこの2つ。

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ウイークポイントは手が汚れること。ベタベタします。油粘土ですから、やはり手に付着する油汚れが宿敵。カメラを操作する際に油で汚れます。また、小麦粘土のようにおもちゃ屋さんの店頭に置かれていないことも多く、価格もやや高いかなぁ。めちゃくちゃ高くはありませんが小麦粘土に比べ価格は高いです。


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おすすめの油粘土

おすすめの油粘土は「クレイトーン」です。
豊富なカラーバリエーションを揃え、造形しやすい粘土です。クレイトーンよりも量の多い「プラスタリーナ」という商品もあります。紹介した粘土の他にも、いろんな小麦粘土、油粘土が出ていますので自分に合った粘土を探して、いろいろお試しください。

今回のクレイアニメーションでは、初心者や小さなお子さんでも扱いやすい小麦粘土を使うことにします。

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撮影に必要なもの

レイアニメーションの撮影に必要なものは...
○ 粘土
○ カメラ
○ 三脚と雲台
○ 照明
などもあると良いですね。

のりしろ太郎が使用している主なカメラとアクセサリー

のりしろ太郎が使用しているメインカメラは、フルサイズミラーレス一眼レフPanasonic LUMIX S1とサブカメラにLUMIX S5、そしてSONYのシネマラインカメラα FX3です。三脚と雲台はマンフロット 社製、照明はアプチャーというメーカーのものを使用しています。詳細はAmazonの商品ページでご確認ください。ご参考まで。

ミラーレス一眼カメラをお持ちでは無い方は、ご自宅にあるコンパクトデジカメやスマホ、タブレットをカメラとして活用してください。


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映像制作編集アプリ

映像編集には、パソコンや編集アプリも必要となります。私はプロ御用達のアドビのプレミアというアプリを使っています。「Adobe Creative Cloud(アドビ クリエイティブクラウド)」というサービスに加入すると、「イラストレーター」「フォトショップ」などグラフィックデザイナーには必須のアプリなどに加えて、私が使用している「プレミア プロ(Premere Pro)」が利用できます。以前はパッケージを購入する形式でしたが、現在はサブスクリプションの定額制となっています。本気でグラフィックデザインや映像編集など行い、トップクリエイターを目指す方は、決して高くはない利用料だと思いますので、ご検討ください。
映像制作の初心者でMacユーザーであれば、「Adobe Creative Cloud(アドビ クリエイティブクラウド)」など有料のサブスクを契約しなくても、購入時にプリインストールされているiMovieでも良いでしょう。十分な編集ができます。最初はあまりお金をかけずにiMovieから始めてみましょう。お使いのパソコンやタブレットなどにインストールされているアプリがどんなもの入っているのか一度ご確認ください。


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クレイアニメーション撮影開始

白色の小麦粘土を使って、はじめることにします。どんなアニメーションにしようかなぁ。「のりしろ太郎」という文字が動くアニメをつくることにしましょう。
クレイアニメは根気ですね。地道の作業の連続です。少し粘土を変形させては撮影を繰り返します。少しばかり撮影ができたところでパソコンに取り込みクレイアニメをつくってみましょう。


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クレイアニメ作品 ① のりしろ太郎タイポ

作品と呼べるほどのものではありませんが「のりしろ太郎」の文字が動くアニメを仕上げました。1コマ=0.1秒、1秒あたり10コマ。フレームレート10fpsに設定しました。とても短い尺なので、繰り返し再生することにします。
よりコマ数を増やして滑らかにすると、クオリティUPできそう。クレイアニメがどのようなものかわかりました。クレイアニメがどのようなものか感覚が掴めましたので、つづいて、キャラクターをつくって動かしてみましょう。


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粘土でおばけのキャラクターを制作

たくさんの色の粘土を使うと、作業が大変になるので、今回も白い粘土だけ使って制作することにします。おばけが登場するアニメをつくってみましょう。
粘土の容器から粘土が出てきて、おばけがこちらに向かって襲いかかってくる。
ちょっぴり怖いホラーなアニメをつくってみましょう。

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シャーペンのお尻の部分を使って目を彫ってみました。
ちょっとづつ変形させ撮影。それを繰り返す地味〜いな作業の連続。「のりしろ太郎」の文字が動くアニメより、コマ数を増やし撮影しました。撮影したこれらの写真を編集してアニメに仕上げます。


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クレイアニメ作品 ② ゴースト

1コマ=0.1秒、1秒間に10コマ。フレームレート10fpsに設定しました。どうぞご覧ください。
粘土のフタが転がり落ちて、容器の中から粘土が飛び出す。
みるみるうちに粘土は形を変えて、白いゴーストが誕生。ぎゃぁ〜ゴーストが襲ってきたぁ〜。あまり怖い顔してないけどね。一体のゴーストが二体に分離!二体のゴーストが合体したかと思えば、三体に分離!

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ここでブルーの背景紙をグリーンに変えてみました。


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華やかなピンクの背景紙も試してみました。
いかがだったでしょうか?
終盤にブルーの背景紙をグリーンとピンクに変えてみました。この背景色のブルーやグリーンは、クロマキーと呼ばれる合成技術で多く使われます。この合成技術を使えば、現実では不可能な撮影でも表現可能にします。


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クロマキー合成に挑戦!

【クロマキー合成とは】
画像や映像の中の特定の色(キーカラー)を抽出し、その色を透明にして、別の映像と重ねて合成する技術。ブルーやグリーンを背景紙として撮影されます。ちなみにクロマとは色を意味です。

特定の色を抽出し、その色を透明に変えて、別の映像と重ねて合成する技術。
さきほど撮影した画像を別の画像と重ね合わせてクロマキー合成を行ってみましょう。うまくいくかなぁ...合成にご注目してご覧ください。ではどうぞ!


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いつもの見慣れた部屋にゴースト登場!このシーンの元の映像の背景色はブルーでした。キーカラーのブルーを抽出して透明にし、クロマキー合成がうまくできました。

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クロマキー合成を使えば、実際には小さな粘土のゴーストだって、怪獣のように巨大に見せることも可能です。逆に小さくすることだって出来ちゃいます。


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背景を変えることで様々なシーンが作れます。


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同じ素材をコピペして増殖させることも簡単です。


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このシーンの背景はグリーンでした。問題なくクロマキー合成ができました。

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背景ピンクのこのシーンでは、ゴーストの体が一部透明にブルーやグリーンに比べて、うまくいきませんでした。


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クロマキー合成は、どんな色でも良いわけではなく、合成処理しやすい背景色としにくい色があるようです。クロマキー合成は、合成が自然に見えるようコツが必要。奥深くて面白いですねぇ。皆さんもぜひクロマキー合成にも挑戦してみてください。アイデア次第で面白い特撮映像が作れそうですね。


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せっかくなので白以外の粘土も使ってカラフルにしてみましょうか
かなり短いアニメですが、白1色の場合と比較してご覧ください。ではどうぞ!白一色よりもキャラクラーに奥行きと面白味が出ましたね。カラフルなキャラクターも良いものですね。そろそろお時間のようです。



おわりに

今回のテーマ「クレイアニメーション」はいかがだったでしょうか?
少しだけ粘土の形を変えては撮影を繰り返す作業。地道で大変な作業ですが、編集を終えアニメを試聴した時の感動って...何事にも変えられません。クリエイターだけが味わことができる感動なのです。クリエイティブ万歳!ですねぇ。本当にクレイアニメは面白い!皆さんもクレイアニメに挑戦しよう!ではまたお会いしましょう。さようなら〜。

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(あなたの後ろにもゴーストがいたりして。決して振り向いてはいけませんよ)


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【次回予告】粘土を使って個性豊かなキャラクターをつくる

油粘土を使ってじっくりキャラクターづくりをします。
ひと癖もふた癖もある個性豊かなキャラクターをつくろうと今から意気込んでいます。お楽しみに!


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