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趣味のモノづくり。赴任中に会いたかった神エンジニアJasonに会ってきた話。

子供が産まれ、子育てのお手伝いに追われて色々な更新が滞っているnorippyです。いやぁ子育て大変ですね。子供が全く寝ない。奥さんに似てショートスリーパーのようです。寝る時間が必要ないので、将来は勉強やら趣味に時間を費やすことでしょう。羨ましい。

実は中国駐在をすると決まった時にやりたいと思っていたことの1つにネットでしかやり取りをしたことがない、顔も知らない中国人エンジニアに会いに行くというのがありました。
久しぶりのnoteは、この中国人エンジニアJasonに会いに行った話。
神エンジニアはやっぱり神だった・・・

Jasonとの出会い

彼の名前はJason。5年ほど前にCNC加工で車の部品を作ろうとalibabaでチャットのやり取りをしたのが初めての出会いでした。このチャットの中で返信スピードが異常に速く、内容もモノづくりをよくわかっているところがあり、この人なら信用できそうだなと感じて、数あるサプライヤーの中から彼が働いている会社に仕事を依頼しました。

それで作ったものがこのスイフトスポーツの部品でした。

納品された部品のクオリティはバッチリ。これは良い人に当たったと当時思いました。
この後Jasonは転職。その連絡があり引き続きJasonに仕事をお願いするのが良いはずだと、転職後の会社でも彼が担当であることを条件に仕事をお願いすることに。

次の会社でもスイフトスポーツの部品の再製造を依頼したり、新しい部品を引き続き依頼したのですが、Jasonは品質に対する判断が本当に良い。特にこのシフトノブの製造を依頼した時、彼は自身の判断で再製造を行うという出来事がありました。

出来上がったものの写真と共に、このクオリティではダメだからもう一度作る、納期伸びるけど待ってくれないかと。もちろん了承し、手元には良いクオリティの製品が届きました。

会ったこともない、そんなに数も出ないのになぜこんなに丁寧に対応してくれるのか。そんなことを思いながら、このシフトノブの製造をお願いした数ヶ月後に、広州への駐在が決まりました。

Jasonに会いに行こう!

Jasonは深圳の会社、自分は広州。高速鉄道に乗れば1時間ちょっとで行ける距離。これは会いにいくしかない!と思い中国に来てからメールしました。

ただ会いにいくというのは流石にどうかと思い、ちょうどS15 シルビアのシフトパネルカバーの製作をしたかったので、データを作成して事前に送ってその打ち合わせを兼ねて会いにいくことに。

S15シルビアのオプションで出ていたアルミプレートを設計。これを持ってJasonのところに。

当初深圳に行くつもりでしたが、どうも東莞にオフィスが引っ越しするという事で東莞に行くことに。初めての東莞。ちょっと田舎・・・。

中国語も大して出来ないのに一人で乗り込んできましたよ。到着まで色々トラブルはありましたが、何とか到着。小さな工場団地の中に彼が働く会社がありました。

いくつかの会社が入っている団地。本当にここにJasonがいるのか!?

Jasonと初対面!

ここで待っててと応接室に通され紅茶を飲んで待つ。今まで大企業の社員としてそれなりに大きな会社にしか訪問したことなかったので、なかなか新鮮。

少し待つとJasonがやってきました。同じ年くらいじゃないか!勝手にメガネかけてるガリガリの人を想像していたけど、全然違うじゃん!
どんな人なんだろうと事前に想像して、オフ会で会ったら全然違うやんけ!という感覚ってこういう感じなんでしょうね笑

名刺交換をして、早速打ち合わせ。ゼロコロナ政策により人との交流がなくなり、お互い久しぶりに名刺出したわ、なんて話をしました。

表面仕上げに関する相談でサンプルを見せてもらいました

いざ打ち合わせになると・・・彼はとにかく品質に厳しい。この肉厚だと変形するリスクがある、表面仕上げの方法はこうしたほうが良い等品質を安定させるための提案をしっかりしてくれました。この中で表面処理の方針を固めて見積もりを出してもらうことになりました。

懐かしのスイフトスポーツの部品を持ってきてくれました
工場はまだ引っ越し中ということで、ガランとしてました。

やっぱりJason本人が部品データをチェックする中で、加工方法を想像し、リスクをちゃんと判断できる人だということが会ってよくわかりました。本当に色々な経験をしてきたのだろうと思います。

Jasonのキャリアについて聞いてみた!

帰りの高速鉄道まで時間があったので一緒にご飯に行くことに。
昼ごはん何が食べたい?と聞かれて、
「何でもいいんだけど、麻(山椒の辛さ)は苦手だけど辣(唐辛子の辛さ)なら食べれる」
と答えたら、辣な食べ物を食べたい奴と判断されて近くの湖南料理のお店に連れて行かれました。(湖南省の料理、マジで辛い!)

見える料理全部辛かった・・・

そんな打ち合わせ後の食事を待つ中、彼のキャリアについて聞いてみました。どうしてこんなに品質に厳しいのかと。聞いてみるとトヨタに鍛えられたそうだ。彼は以前トヨタと取引をしていたサプライヤーで勤めていて、そこで品質の重要性を理解したという事だった。とても納得するキャリアだった。
不安な要素があれば必ず情報を共有し、リスクを取っていることを顧客に理解してもらってから製造を進めるし、彼自身が持つ品質の判断基準も高い。仕事の進め方、判断が日本的だなと感じていたけど、それは日系企業で鍛えられたからだったのか。

トヨタさん、ありがとうございます!!マジで世界のトヨタ最高!

中国で仕事をしていて思うのですが、ここまでしっかりと品質の重要性を理解している人は少ないです。納品物に対して何でそれが問題か分からないなんて返答がくる事がよくあります。

それに対してJasonは、一握りの、上澄みにいる世界に通用する一流。僕はそんな人に出会ったんだと改めて思いました。

Jasonが納品に来てくれた!

部品が出来上がった時、彼はわざわざ広州まで納品に来てくれました。深圳から広州、なんだかんだ遠いよ?ほんとありがとう。
部品は綺麗にできていました。事前に打ち合わせ通りに変形リスクを回避する方法で表面仕上げを行って、部品を納めてくれました。

一緒に来ていた彼女からは「もっと大きなロットで依頼してもいいんだよ」とコメントいただきました。はい、頑張ります。いっきに100個とかやりたいですね。僕自身も魅力的な製品を作って行く努力をしないといけません。

Jasonに今後も仕事をお願いしよう!

S15のシフトパネルカバーは一度納品をされたものの、自分の設計ミスでつい加工をすることになっています。今この追加工の見積もり、方法の検討をしてもらっているところです。彼はCNC加工をメインにする会社に勤めているにも関わらず、他の会社へ問い合わせをして安くかつ安定して加工できる方法を探してくれています。僕からは何も言っていないのに・・・神すぎる!

また彼は個人的に色々な仕事を受けているようです。金属だけでなく3Dプリンタを使った量産のサポートなどもしているそう。もしかすると彼経由で筐体の量産をするのが良いのかもしれない。
今後もJasonに仕事をお願いすることになりそうです。

最後に、彼が働いている会社はここ。

もし板金、金属加工を検討しているのであればココを使うといいかもしれません。Jasonがフォローしてくれると思いますよ!

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