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【MV】CROWN POP「初めての終わり」


公式チャンネルCROWN POP 【MV】CROWN POP「初めての終わり」

本当はこうなるはずだった。最高のダンスに万雷の拍手を浴び、心が通じ合った証としての口づけ、そしてステージ袖から見守る仲間。すべてがこの未来につながるはずだった。なのに彼女はもうここにいない。あるのは大きな白い襟と水玉が印象的な可憐なステージ衣装と、マットレスだけになってしまったベッド。さほはもう、ここにいない。

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まるでイケメンヒロインのような美貌の持ち主であるいぶきは、大学のダンスチームでメインアクトを務めている。主役を演じるために生まれてきたような彼女、でも中身は普通の女子大生だ。チームメイトでありルームメイトでもあるさほへ想いを寄せ、寮で台本の読み合わせをする際には、気もそぞろに見惚れてしまうほど。一方のさほはといえば、そんないぶきの気持ちに気づきつつ、はぐらかしてばかり。いぶきにとっては、周囲の想いは自分に集まってくるのに、さほの想いだけが自分に届かない。

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ダンスチームでは、みあとあいりが競い合うようにいぶきの気を引こうとアプローチする。遠慮もためらいもなく「わたしの方が!」とあからさまにアピールする二人の姿は、まるで親鳥のエサを奪い合う雛のようにさえ見える。そして、二人ほど積極的にはなれなくても、一歩引いたところから仲間を見守るように、それでも静かに想いを寄せるりなの姿も。

5人が5人の想いを抱えながら、ダンスチームでは発表会に向けヒロイン役選びが行われている。いぶきの隣でステージに立つのは誰なのか。りな、あいり、みあ。それぞれいぶきとのオーディションに臨むが、やはりあのドレスに身を包んで、花咲むやさしい笑顔を浮かべるヒロインを務められるのはさほしかいない。いぶきの想いはもしかしたら最初から決まっていたのかもしれない。

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本番が間近に迫るある日。稽古場にさほの姿がない。悲嘆にくれ、ステージで呆然とするいぶきと、それを見つめるりな、あいり、みあの3人。そして、みあの視線はあいりへ。あの日、あんなことがなければ。

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ここで起きたことはなんだったんだろう。みあもいぶきも、この場所を通りかかるとどうしても思い出してしまう。階段を見下ろし立ちすくむいぶき、そしてその後ろ姿を心配そうに見つめるりなと、身を隠すように目を伏せたたずむあいり。
あんなことがなければ、「すれ違い始めた想い」にも「気づかないふり」をしたまま、今も5人で素晴らしいステージを創れていたのではないか。

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少し前のことだった。いぶきの自分への想いに気づきながらもあいりに想いを寄せていたさほは、自分があいりから避けられているように感じ始めていた。
あいりはいぶきの視線を一身に集めるさほが、いつからか妬ましくなっていたのかもしれない。友人であり、仲間であるけれど、彼女がいたらいぶきは私を見てくれない。頑なになってしまったあいりの耳には、さほがどれだけ叫べどその気持ちは届かない。
ただその瞳に私 映してほしかったの
いぶきからの愛を独占するさほからそんな風に迫られても、あいりにはその想いを受け止める余裕がない。拒絶するしか、なかった。

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あいりの手が思わず伸び、突き落とされるように後頭部から階段を落ちるさほ。その様子を一部始終見ていたみあは悲鳴を上げる。あいりは、現実を受け止められずその場を離れる。すれ違うあいりの姿にただならぬ気配を感じながら駆け足になるりな、そして現場に駆けつけさほを介抱するいぶき。
一枚ずつ 花びら落としていく」ように、全員がばらばらになる。もう、そこには5人一体となって発表会を創りあげる、美しい花のようなチームの姿はなかった。

公式チャンネルCROWN POP 【MV】CROWN POP「初めての終わり」
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さほの姿が消えた学校。いぶきが部屋へ戻ると、「窓際飾られていた」あのドレスがない。そこにあるはずなのに。ベッドは自分が部屋を出たときのままだ。自分の衣装もまだある。さほの衣装だけが忽然と消えている。
誰が? どうして?
大切なあの衣装はどこへいったのか。校舎を駆け、懸命に探すいぶき。そして気づくと、足は発表会の会場となるはずだったステージに向かっていた。

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ホールの重い扉を開く。ステージ上にはあの可憐なライトブルーのワンピースをまとった後ろ姿が佇んでいる。

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「さほ?」
戸惑い、焦り、困惑、嘆き。この世にあるつらさをすべて引き受けたような、そんな気持ちでたどり着いたこの場所で、いぶきの目に飛び込んできたのはさほなのか。でも、彼女はもうこの学校にはいないはずだ。
幸い怪我は軽傷で済んだが、あいりの心に負担をかけ、追い込んでしまったことを悔い、自らの過ちで転落したことにして謝罪を繰り返した後、やさしい笑みを浮かべる彼女はここを去ってしまっていた。もしかして、さほが帰ってきてくれたのだろうか。いぶきはそう思いながら、つぶやく
もう謝らないで 笑顔が好きだよ

ステージへ駆け寄り、壇上へ上がるいぶき。いぶきに向かいゆっくりと踵を返したのは、みあだ。いぶきの傷心する姿に自らの心も痛め、あのステージに立ってもらうことで輝きを取り戻してもらいたい、そんなやさしさからなのか。あるいはどうしてもいぶきと二人で踊りたかったという想いからなのか。いぶきの部屋から衣装を持ち出し、それを纏っていたみあの「やさしい嘘は誰のため」のものなのか。

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そして、そんなみあの想いなど、そこにありもしないかのように、いぶきの目にはさほしか映らない。いぶきにとって、ここにいるのはさほなのだ。あの、輝ける未来へたどりつくために。パートナーはさほじゃなければならないのだ。
さほと二人で衣装に身を包み、メイクを決め、ダンスを踊るいぶき。その思いは現実の世界に幻想を生み出す。

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ホールの片隅にはいぶきとみあの様子を遠くから見つめるあいり、そしてりなの姿が。もうここにさほはいない、チームも瓦解した。今、いぶきがどれほど美しく舞ったところで、何も元には戻らない。
りなの目がふとあいりへと向く。そんなりなの目線には気づかず、一点を見据えるようにいぶきとみあのダンスを見つめるあいり。
二人は見つめている。それぞれ胸になにかを抱きながら。

ダンスはクライマックスを迎え、ステージ中央で抱き合う二人。感極まったいぶきは相手を抱き寄せ口唇を重ねる。
その刹那、脳裏に現実が一瞬よぎる。そしてその想いから目を背けるように、再び相手を強く抱き寄せたいぶき。思わず名前が口をついて出る。

「さほ……」

公式チャンネルCROWN POP 【MV】CROWN POP「初めての終わり」

みあの耳に届く、その小さな声。
今、ステージの上で可憐な衣装に身を包み、懸命にヒロイン役を演じ、いぶきとともに踊ったのは自分なのに、その目にはやはりさほしか映っていなかった。寂しさと悔しさで、口唇を強く噛む。

二人の姿を遠くから見つめていたあいりは、何かを思い立ったかのように視線を上げ、ホールの出口へと向かおうとする。
「さほを呼び戻しに行こう!」
時間を巻き戻したい気持ちは、誰よりもあいりの中にある。しかし、「戻ってきて」とあいりの口から伝えられるのは、想いを振り払い、自ら身を引いたさほにとってあまりにも残酷だ。少し引いたところから、ずっとチームを見守ってきたりなの覚悟が、あいりの行く手を、止めた。
あの頃にはもう戻れない

公式チャンネルCROWN POP 【MV】CROWN POP「初めての終わり」


もちろん、これは正解でもなんでもないし、考察とかそんな立派なものでもなく、紅茶屋の感想と想像です。きっと全然違う捉え方をする方も大勢いると思うし、それぞれがそれぞれの解釈をしてた方が楽しいですよね。

そんなことより何より、見る側にここまで考えたくさせるクラポちゃん達の表現力!!

すごくないですか。セリフも一切なく、ちょっと現実離れしたような設定だけど、一人ひとりの胸のうちが強く苦しく画面全体に溢れ出しています。
主演のいぶいぶだけでなく、5人全員がすごく豊かな表現力を発揮して、特に視線の力でCROWN POPのファンのみならず、このMVを見るすべての人を、「初めての終わり」の世界に引き込みます。
本当に一編の映画のようなMV。

10月29日(日)のスタプラフェスを経て、CROWN POPが挑んでいる
「#クラポかわいい 全国拡散ツアー」は終盤に突入します。

やかんとアイドル クラポが行く!ライブ直後のももクロの皆さんに、想いを伝えよう!

11月 4日(土)15:00開演@福岡DRUM Be-1
11月19日(日)15:00開演@広島LIVE VANQUISH
11月26日(日)15:30開演@仙台MACANA
12月10日(日)14:00開演@沖縄output(sold out)

さらに、そのあとは年末の大勝負
12月28日(木)「CROWN ROAD in Zepp Diver City(TOKYO)」

やかんとアイドル クラポが行く!ライブ直後のももクロの皆さんに、想いを伝えよう!

このMVで見せてくれた表現力はもちろんのこと、普段のかわいい姿、かっこいいパフォーマンス、美しいステージが存分に楽しめることは間違いありません。

年始に今後へ向けての決意を語ったCROWN POP
ちょっと気が早いけれど、この一年は着実にその大きな目標に向かって歩みを進め、成長を重ねた一年となっているのではないでしょうか。
「初めての終わり」で見せてくれたかつてない世界も、そのひとつ。彼女たちがこれから、どんな世界を、どんなスケールで、どれほどかわいく美しく見せてくれるのか。わくわくが募るばかりですね。

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