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高齢社会を乗り切る舵きりは早い方が良い。屋外乱闘シリーズ1

本日、「70歳就業法」が成立したと厚生労働省が発表したことで、ただいま大混乱に陥っております。
先日入手した“新たな情報”をお送りしようと思っておりましたのに、見事に“新たな情報”が霞んで見える様な、ビッグニューズが飛び出しました。

ど、どうなるのだ????

と思って思考を巡らせてみたが、ネーミングにインパクトはあるが、現実では60代の方は働いておられる。

“切れ目のない社会保障”

政府が公言していたことを、実行に移そうとしている。そういうことだ。

つい数日前、近所のママ友達が60歳となり、長年勤めた会社を退社するから、仕事を探さなければならないと相談を受けたばかりだった。もっと早くこの法案があれば、彼女はこんなに悩むことなく、今を過ごして居られただろうと気の毒でならない。接客業で販売をしていた彼女は、40代の私よりも肌つやも良く、お元気で、何より敏腕営業ウーマンの実績は素晴らしかった。

60代はお元気な方が多い。
実際に、弊社デイサービス利用者に、60代は一人も居ない。70代~90代の方々である。90代でも要支援の方は多い。

ケアマネジャー業務における通念として、
実際に福祉用具を含め、何らかの支援を必要とするのは、

『70歳を超えてから』

という傾向が強い。

怪我や病気などで誰かの手を借りなければ生活出来ないという状況になるまで、人は身体機能が低下する未来を考えることはしない。ならば、実際に支援が必要となる年齢である70代になるまでは、働いてもいい。
60代は“介護”とは紐付かないという状況が、世間で一般化されつつある。

という訳で、本日2020/03/31に決定した法案は、それほど、突飛なものでは決してない。確かに驚いた。突然の「70歳就業法」の到来に、話が逸れてしまったが、本題に戻そう。


改めまして...



先日聞いた、新情報というのは、次の事柄である。


「基準緩和型デイサービスの利用者数が少ない」



じゃーん!!!

......で? とお思いでしょう。

いえいえ、これには、重要な情報が詰め込まれている。

 

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まず、基準緩和型のデイサービスの詳細を紹介すると、

①一日型デイサービス
②短時間型デイサービス
③短期集中運動型デイサービス(医療)
④短期集中通所口腔ケア(歯科医院が行う)

の4種類ある。

①一日型デイサービス

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利用人数は不明だが(情報が分かり次第追記)、開始当初384事業所があり、現在も382事業所が運営している。
事業所名を見ていくと、多くは社会福祉法人・医療法人などの母体が大きな施設が、基準緩和型デイサービスとしての機能も備えているという形だと推測できる。

②短時間型デイサービス

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 ↑ 弊社はコレ。
開始当初でも、41事業所しかない。そして現在は36事業所に減っている。
儲からないから事業所数も少ない。資格要因さえクリアしていれば、二人の人員から運営できる。
健康年齢を延伸するために重要な立ち位置なのにも関わらず、36事業所では足りないのではないか。


そう思っていた。
しかし、驚くべき事に、短時間型デイサービスの利用に至った人数が、年間で190人程度だという。

19万人の間違いでは?
――いいえ、190人。

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広島市において65歳以上の高齢者は約298,000人
実に0.006%。少ない。あまりにも利用者数が少ない。

そのうち、要介護者を除いても、この数値には、これからの高齢社会を乗り越えるための多くのヒントが隠されていることを示唆している。


弊社はフロアが狭いので定員10名の支援を週2回行っている。
2020/03/31現在、在籍16名。要介護が出て退所が12名。

今週も2名の新規利用者が増え、更に追加で1名の紹介を受けた。
つまり、要介護が出て退所しても、すぐに新規利用者が入ってくるため、全体的な利用者数が少ないという事実は寝耳に水であった。

190人を36事業所で均等に分けても、1事業所あたり5人ということになる。
20人定員の事業所もある。他の事業所の利用者数が10人を大きく割っている話は聞いていたが、総利用人数が190人であれば、それは支援内容が影響している云々の話ではない。
明らかに、うちは、利用者を取り過ぎな気がしてきた......。
だが、人気があるから仕方がない。←こら



さらっと目を通していただいたところで、話を戻そう。
思えば、2013年に立ち上げた研究会でも、この課題の片鱗は見え隠れしていた。

広島大学、中国新聞社、中国経済連合会、その他IT会社の方を理事として招き、広島市の多くの介護事業者に協力して頂き、100世帯の困り事に関するアンケート調査を行った。

その際に苦慮したのが、メザニンシニア(概ね65~70歳)の意識調査が出来なかったことだ。

弊社だけでなく、他の居宅介護支援事業所を幾つも当たったが、アンケート調査段階で、見渡す限り、介護に携わるメザニンシニアが見つからなかった。

この現象は、障害者の分野と、高齢者の分野との違いでもあるが、まだまだ健康体であり“高齢者”と呼ぶこと自体が失礼な年齢だということが分かる。


しかし、
本日、「70歳就業法」が成立したことで、その5年間の隙間が見事に埋められた。

せっせと解決策を考えた穴熊戦法を、櫓棒銀で一気に攻め込まれた気分である。←失礼、将棋の話。

じゃあ、解決?
この「場外乱闘編シリーズ」は終わるの?


いいえ。
令和3年度からの法案が普及して、70歳まで働いたとしても、
基準緩和型デイサービスを利用する年齢は、70~90代の方々であることに変わりはない。
そして、その方々の利用者数の母体が少ないということに変わりはない。

退職後の彼らに、健康年齢を意識した活動に参加してもらうことは、今後の介護保険を持続させていくためには必要なことである。

ではどうすれば良いのか!

「無理」

なぜなら、赤の他人から「あなたはもうすぐ介護が必要になる年齢です」なんて言われようものなら、誰だって嫌な気持ちになるだろう。美容健康を仕事にしている立場の人ならば、名誉毀損で訴えるかもしれない。

でも、考えて見て欲しい。
それは記憶に関すること。
とても見逃しがちな事。
思えば単純なこと。
そう......

一纏めに、高齢者と括ってはいけない。


――これが、新発見である。

え?
どこが新発見?

「良く今日まで、生きてこられました」


この感覚。
この視点。

では次回は、なぜ、基準緩和型デイサービスの利用者が少ないのかを、年代別「生き方」について可視化することで解決方法を探っていこう。


※最後に、基準緩和型サービスの③④もあげるが、短期集中運動型なので、医療・リハビリの側面が強いので省いたまま、忘れてしまっていたが、以下、紹介を纏めた表を添付しておくので、興味のある方はどうぞ。

③短期集中運動型デイサービス(医療)

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④短期集中通所口腔ケア(歯科医院が行う)

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