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コピー品対策には商標と意匠が効果的

【稼ぐ経営者のための知的財産情報】
 
 弁理士の坂岡範穗(さかおかのりお)です。
 今回は、「コピー品対策には商標と意匠が効果的」について書きます。
 
 先日、シャワーヘッドのミラブルの模倣品が大量に出回っているとのニュースを見ました。
 こういった事例は良くあることで、ヒット商品が出るとすぐにそれを模倣する人たちがいます。
 パターンとしては、中国との人脈を持っている人がコピー品の製造を中国に依頼して、輸入したものを直接又は卸して販売するといった感じでしょうか。
 
 そんなときに効果を発揮するのが特許、意匠、商標などの知的財産権です。
 一般に、侵害品を発見した場合、先ずは相手に警告状を出します。
 そこで何回かやり取りをして、解決できればそれで終わりです。
 一方、互いの主張が食い違い、なんともならないときは訴訟となります。
 
 ところが模倣品を扱っている人たちは、最初からコピー品とわかって売っている、つまり、悪いことと認識しながら売っている人たちです。
 ですので、警告状を送っても訳の分からない返答をよこして侵害を否定するか、無視することが多いと考えます。
 
 そうすると、訴訟にいくしかないのですが、ここで問題となるのが費用です。
 警告状の段階ですと数十万円で収まることが多いのですが、訴訟ですと弁理士と弁護士の費用が着手金だけで200万円以上かかります。
 勝訴したときの成功報酬や交通費等の雑費を含めると、第1審だけでかなりの費用となります。
 知財高裁まで争えば、さらに金額はかさみます。
 
 自らが販売している商品の利益と上記の訴訟費用とを比べて、訴訟を断念するケースは良くあることと思います。
 
 そこで、他にとり得る手段はないのかを考えてみます。
 ここから先は、私があまり経験したことのない分野ですので、間違っている部分がありましたらご容赦ください。
 
 手っ取り早いのは、アマゾンや楽天などの販売サイトに商標権侵害の申立てをすることではないかと思います。
 実際に、商標権の侵害の申立てをされて出品を取り消されたという事例があると聞きます。
 
 他には、税関への輸入差止申立てがあると思います。
 令和4年10月からの法改正で、コピー品の個人輸入も差止めの対象になりましたので、知的財産権を所有している側からするとやりやすくなったのではないでしょうか。
 
 ここで、注意点です。
 販売サイトや税関への申立てが特許権侵害であると、ハードルが高くなってしまいます。
 なぜなら、販売サイトや税関が特許権侵害か否かを判断するのは難しく、結局は裁判所の判断や仮差押えを待つことになるからです。
 
 これが、意匠権や商標権であると、販売サイトや税関でも判断がつきやすく、すぐに動いてくれる可能性が高まります。
 
 ということで、タイトルに戻りますが、コピー品対策には商標と意匠が効果的となるのです。
 
 勿論、特許も大事です。
 特許がなければ、商品名や商品の形を変えて、技術を合法的にパクられてしまいます。
 ここで申し上げているのは、低品質のコピー品には意匠と商標が効果的ということです。
 
 実際には特許、意匠、商標をまんべんなく取得して、漏れの無い知的財産権にすることが理想です。
 この記事が御社のご発展に役立つことを願っています。
 
坂岡特許事務所 弁理士 坂岡範穗(さかおかのりお)
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