先行技術調査の先に発明がある
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弁理士の坂岡範穗(さかおかのりお)です。
今回は、「先行技術調査の先に発明がある」について書きます。
弁理士をしていると、時々こんなアイデアを考えたという話が来ます。
そこで先行技術調査をしてみると、たいてい似たような先行文献がでてきます。
このとき、がっかりされる人もいらっしゃるのですが、まだ大丈夫です。安心してください。
なぜなら、全く新しい技術というのは万に一つくらいしかありません。
殆どの場合、似たような技術が発見されて当然なのです。
ここからどうするかが勝負なのです。
では、具体的にどうするのかを説明します。
1.先ずは、発見された先行文献と自分の発明との相違点を探してみましょう。
ここでは、どんな小さなことでも見ていきます。
図面又は現物を見ながら、どこが違うのだろうと検討します。
相違点があれば、その相違点による作用効果を考えます。
例えば、この突起は何のためにあるのか、この突起によってどんな作用がなされてどんな効果がもたらされるのだろうか?という感じです。
ここで、先行文献にない作用効果を発揮できればしめたものです。
見事に新発明の完成です!(完成しないときもありますよ)
2.次に、先行文献の課題を考えます。
課題とは言い換えると欠点とか問題点ですね。
ここでも諦めないでくださいね、殆どの文献には課題があります。
例えば、非の打ち所がない装置であっても、構成が複雑で高価であるとか、調整が煩雑であるとかです。
そして、その見つかった課題を自分の発明で解決できないかを検討します。
解決できればここでも新発明の完成となる可能性が高くなります。
3.次に、先行文献と自分の発明とが同じであって違いがない場合はどうするのかを説明します。
この場合、上記の課題探しから始めます。
そして、見つかった課題を解決する手段というか構成を考えていきます。
課題を解決する構成を考えつくことができれば新発明の完成です。
先行文献よりも優れた発明になるので、事業をするにしても有利になりますね。
このように、発明は先行技術調査をした時点で判断して終わるのではなく、先行技術調査によって発見された先行文献との対比によっても引き続き行われます。
ですので、先行技術調査の後の検討というか作業も重要になってきます。
こうした作業を行うことによって、簡単な構成の発明であっても先行文献との差別化が可能になることがあります。
その結果、えっ、こんな発明が特許になったの?ということも起こり得ます。
中小企業の場合、これらの作業は発明者と弁理士とが協力して行うことが多いと思いまが、企業の規模が小さくなればなるほど弁理士が担う割合が増えていくように感じます。
中小企業は、このような作業に嫌がらずに付き合ってくれる弁理士を探すことをお勧めします。
注意点としては、上記の作業に付き合うにはそれなりの工数が必要であり、弁理士にとっても面倒なものです。
ですので、料金は安くないことが多いと思ってくださいね。
この記事が御社のご発展に役立つことを願っています。
坂岡特許事務所 弁理士 坂岡範穗(さかおかのりお)
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