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会社ロゴを商標登録しておくと便利

【稼ぐ経営者のための知的財産情報】
 
 弁理士の坂岡範穗(さかおかのりお)です。
 今回は、「会社ロゴを商標登録しておくと便利」をお伝えします。
※出願等のお問い合わせはこちらから http://www.sakaoka.jp/contact
 

1.会社ロゴとは

 会社ロゴとは、その会社を表わすロゴのことで、ハウスマークともいわれます。
 正しくは、ハウスマークには文字も含まれるのですが、ここでは図形のみの話をしていきます。
 
 例えば、本田技研工業株式会社やトヨタ自動車株式会社は、以下のロゴを商標登録しています。 

商標登録第4538288号


商標登録第5159348号

 これらのロゴを見ただけで、これはホンダだ、これはトヨタだとわかりますね。
 

2.なぜ、会社ロゴを登録しておくと良いのか

 では、なぜ会社ロゴを登録しておくと良いのでしょうか?
 複数の理由がありますので、いくつか記載します。
 下記のうち(3)が重要ですので、時間のない人は(1)(2)を飛ばしてください。
 

(1)看板、製品、名刺等に記載することで、会社のイメージが良くなる

 これは、想像するとわかりますね。
 味気ない看板や名刺よりも、ロゴマークが入った看板や名刺の方が格好いいです。
 製品にも表示することで、企業イメージが定着していき認知度も向上します。
 

(2)識別力のない文字商標と組み合わせて商標登録できる

 先週の記事、「警告書が届いても慌ててはいけない」https://note.com/norio_sakaoka/n/n157cc1995964
でも記載しましたが、本来は登録されない記述的商標と組み合わせて商標登録することができます。
 例えば、指定商品「コーヒー」に、商標「(会社ロゴ)炭焼焙煎」と出願して登録され得ます。
 文字の「炭焼焙煎」だけだと、製法を表わすに過ぎない商標としてほぼ間違いなく拒絶されます。
 但し、登録されたとしてもロゴマークを含めた商標全体での登録ですので、自他商品識別力のない「炭焼焙煎」のみでの権利行使は認められません。
 (権利行使してもよいですが、「お前はアホか」といわれて終わります。)
 

(3)暗示的商標を高い確率で登録させることができる

 暗示的商標とは何かと申しますと、その商品やサービスの内容を何となく示しているけれど、直接的には示していない商標のことをいいます。
 例えば、「熱さまシート(商標登録第3203832号)」「冷えピタ(商標登録第4050015号)」があります。
 これらの商標は、間接的に商品の品質や効能等を表わしていると考えられます。
 
 私なりに申しますと、良い商標とはその商品やサービスがどんなものか直観的にわかる商標だと考えております。
 してみると、こういった暗示的商標はとても良い商標なのです。
 
 しかし、暗示的商標は必ず登録されるとは限りません。
 むしろ、通常の商標登録出願と比較して登録率は低いと考えます。
 登録されたとしても、拒絶理由対応や審判請求が必要になったりして、コストがかさむことが多いです。
 
 そんなとき、会社ロゴと組み合わせて出願することで高い登録率を維持することができます。
 しかも、記述的商標ではないので、他人に対する抑止力にもなります。
 

3.会社ロゴは色んなところで使い回せる

 上述しましたように、会社ロゴは色々なところで使い回せます。
 会社ロゴを商標登録しておくと、何かと便利であり困ったときの会社ロゴ頼みということも可能です。
 
 ここで注意点です。
 会社ロゴを登録するとき、なるべく代表的なマークを1つ決めましょう。
 製品別にロゴマークを分けたいときは別ですが、いくつもマークがあると、商標の管理が大変ですしコストもかさみます。
 ということで、御社も是非とも会社ロゴを商標登録出願していただきたいと思います。
 
 いかがでしょうか?
 この記事が御社のご発展に寄与することを願っております。
 
坂岡特許事務所 弁理士 坂岡範穗(さかおかのりお)
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