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気づく力 (畑村 洋太郎 他)

 畑村洋太郎氏・藤原和博氏・大前研一氏・カルロス・ゴーン氏・金児昭氏・妹尾堅一郎氏・齋藤孝氏・・・ 錚々たる方々が「気づく力」というテーマについて語った雑誌『プレジデント』掲載記事を再編集した本です。

 正直なところ、予告編であったりあらすじであったりというぐらいの内容のものが多くて。雑誌の特集記事であればちょうどいいぐらいの読み物なのでしょうが、1冊の本として見ると少々物足りない感じがしました。
 もちろん、それぞれ一家言ある各氏ですから、それぞれのメッセージの香りは幽かに伝わってきますが・・・ ただ、やはりそこは各氏の著作本体をキチンと読むべきでしょう。

 そういう感想なので、今回の御紹介は編集部の記事の部分を選んでみました。
 同じような状況が、みなさん方の周りでも結構あるのではないでしょうか?

(p234より引用) 某OA機器メーカーの関連会社社長である仲代幹夫氏(仮名、54歳)がかつて、母校の学生のリクルートのために学生寮を訪れたときのことだ。
 寮のホールに学生たちを集めた後で、仲代氏は片隅にあった階段を指差し、「あれは何段ある?」と問い質した。
 侃々諤々の議論が始まった、「13段かな?」「15段だ」「いや、17段だ」・・・結局、「先輩、14段です」という“最終合意”がなされた。
 「これが、“社内評論家”の格好のモデル」―仲代氏に言わせるとそうなる。この間、実際に階段を上り下りする者が一人もいなかったのだ。
 「多数決で決められないことを決めてしまう。断片的な情報を、一度正しいと思ったらそうだと思い込む。『事実を見る』ことをしない。・・・」

 事実は「考えて」見えてくるものではありません。現場に行って確認するしかないのです。すごく簡単なことです。素直に調べればいいだけです。


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