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大トロ食いたきゃ手を伸ばしてお皿を取らなきゃね|47冊目『お金も仲間も引き寄せる神コミュニティの創り方』

山口 雄輝(2020,  ぱる出版)



社長になる人、ならない人

僕の従兄弟に社長が二人います。
友だちや知人にも社長はたくさんいます。
売上や会社規模はそれぞれで、個人事業主と変わらないような会社もありますし、中には従業員を100人以上雇用している会社の社長もいます。

規模の大小はともかく、何にしろ会社を経営できるってすごいと思います。
たとえ小規模でも設立して10年、20年と経営を継続できていることが本当に素晴らしいと思います。

いくら経営学を学んでみたところで、やはり実際に経営している人の説得力には敵わないなと思うときもあります。

僕はいまだに社長の経験はありません。
なんだかんだ自分に言い訳をして、サラリーマンの立場に甘んじています。
そして勉強ばかりして、「これ学んでからにしよう」と勉強のせいにしています。

本の著者の山口さんはサラリーマンをしながらお金を貯めて、副業で起業して、共同経営を含めて7つの会社の経営に携わってきた起業家です。

実は私が勤務する学校の卒業生であり、記事を書くために、先日取材をさせていただいたばかりです。

取材のときに「社長になる人とならない人はどこが違うんですかね?」と聞いてみました。

「覚悟、ですね。」
という答えでした。

覚悟がある奴って、たいていうまくいくんですよね。
スキルとか市場を読む力とかではないですね。


と言っていました。

山口さんが最初のお店をはじめたとき、やりたかったこと、目的が4つあったといいます。

「経営のトレーニングをする」
「お金の流れる仕組みを知る」
「仲間づくり(友だちだらけの店にする)」
「親孝行」

の4つです。

山口さんのビジョンは、個人的なワクワクの実現からスタートして、感動を求めてアップデートを重ね、世界の課題解決、世界のヒーローになるビジョンにまで成長していきました。

人より秀でている自分の強みは、執着が強いところ。
決めたらグリップしてやり続けます、という山口さんは圧倒的な熱量でビジョンを実現させるために突っ走ります。

社長をやらない僕におそらく足りないのは、人生を賭けてまで『やりたいこと』と、とことんやる『覚悟』なんだなとあらためて思い知らされました。

結局僕はいまだに、人生の目的を見つけられていないのです。(なんて、すぐ頭で考えてしまうことが、先に進まない理由です)

山口さんがいうところの、自分にとって「一生やらないかもしれないけど、でもできたらすごくワクワクすると思うこと」って何なのかな?って思います。

「できないかもしれないけど、もしかしたらできること」はまるで回転寿司のように僕たちの目の前を回っています。おそらく大トロはすでにあなたの前を何度も通過してしまっているでしょう。それに気づいて、手を伸ばして、皿を取った人だけが、口にすることができます。

第4章 今すぐできる! 神コミュニティの創り方

会社の経営として考えると、自分ならば、「儲かるだろうか?」「失敗したらどうしよう?」「ビジネスモデルは成立するだろうか?」と、リスクばかりが頭によぎります。

だから、今すぐやりたいことを実現させるには、「神コミュニティ(共創型コミュニティ)」を創ればいい、というのが山口さんの論理です。


会社経営にハードルがあるなら、コミュニティからはじめよう

普通の会社組織の目的が「お金を得る」ことであるのに対して、神コミュニティの目的は「感動を得る」ことです。

「役割でやることを決められる」のではなくて、「好きなことを実施できる」し、何より「組織の成長のために自分がいる」のではなくて「自分の感動のためにコミュニティがある」といいます。

競争ではなくて、共創です。

そして合言葉は「がんばろう」ではなくて「楽しもう」です。

山口さんのモチベーションの根源にあるのは、仲間感動なのだと理解しました。
山口さんは、楽しかったり、うれしかったり、仲間と共鳴したりして、感動の涙をダーダー流したいのです。

サッカーやトライアスロンや、究極にはサハラマラソンを完走するなど、体感を伴う行動を好むのも感動を求めているからでしょう。


神コミュニティの「創り方」「仲間の集め方」「リーダーの心構え」

会社組織ではなくて、神コミュニティについての指南書と言えるこの本ですが、言っていることは山口さんの「組織論」であり、「リーダーシップ論」だと思います。

神コミュニティとは、共通の目的を持ち、複数の人間でつくられる組織です。

たとえば『ワンピース』の「麦わらの一味」には多様性のある仲間が集まっています。
そして「世界を巡り海賊王になる」という共通の目的を掲げながら、仲間たち一人ひとりが役割とともに、個々の目標を持っています。

めざしているのはそういうコミュニティです。

メンバー個々の目標と役割、そして自主性、コミュニティがめざすビジョンとその存在目的。

つまり、ティール組織 ですね。

ティール組織をめざしたいと口ではみんな言いますが、結局役職が上がっていくと自分の権力に固執して、ヒエラルキーがあることを心地よく思ってしまいます。
それが大凡の会社組織です。

山口さんのようなビジョナリーなトップがいる企業ならば、個人的なビジョンを明確に持つ従業員がたくさんいたのだろうと思って質問してみたところ、「みんなタワマンに住みたいとか、年収をこのくらいもらいたいとか、欲はあってもビジョンは持ってないですよ」という答えでした。

とても意外に思いましたが、つまり、ビジョンのある奴はいつまでも雇われていないで、自分で会社を立ち上げちゃうから、ということらしいです。

「なるほど!」と思いました。
次の研究テーマが見えてきました。

会社組織は、利益を得るという考えによって、自由や自主性などを制限してしまうこともありますが、神コミュニティなら、みんなでやりたいことも、自分のやりたいこともみんな実現できる!といいことづくしで、ティール組織に近づけるのではないかなと思います。

とはいっても、コミュニティ創造の障害となる人、手柄を横取りするテイカー、あるいは偏見ある発言する人などはやはりここにもいるので、仲間を見つけるときは慎重にすべきと書かれています。

リーダーの心構えとしては「熱量のある言い出しっぺ」「感動は常識を壊したところに生まれる」「ナルシストぐらいがちょうどいい」といった変革型リーダーの側面、「全員が幸せになれる」「徹底的幹事宣言」というサーバントリーダーの側面、そして「メンバーの利益に一致する役割を提供する」というシェアドリーダーシップの考え方も描かれています。
さすがです。


自分(たち)なら、どんな神コミュニティが創れるか

僕は、10年くらい前に、勉強会の実施を主たる目的とした、クリエイティブクラス・ソサエティ、略称「クリクソ」というコミュニティを立ち上げたことがあります。

みんなで集まって、ワークをして、ビジネスを考えて、そして最後はやっぱり飲んでいました。

グループの目的が明確でなかったので、いつの間にか忙しさを理由に集まることがなくなってしまいました。

会社については、弟が計画しているお店は別にして、自分がやりたいことはビジネスモデルが明確ではなく、そもそも本当にそれが自分がやりたいことなのか、ワクワクするのかという疑問が実はあります。

「仕事として起業しなくては」と思っているので、知らず識らずに、様々なバイアスがそこに存在しているのだと思います。

それでは、山口さんのいうように、コミュニティからはじめてみるとしたら、どんな手段が思いつくでしょうか?

目先を変えて、考えてみようかなと思います。

著者、山口 雄輝さんの取材記事はこちらに書きました。
どうぞご覧ください。


最後までおつきあいいただきありがとうございました。
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