見出し画像

RBSの思い出と亀川先生への感謝|32冊目『市場とイノベーションの企業論』

亀川雅人先生 退職記念出版編集委員会(2020, 中央経済社)


亀川先生の人望の厚さが示された本

立教大学大学院のビジネススクールはめちゃめちゃ楽しかった。

どの授業も興味深くて、たくさんの優秀な同期生たちと一緒に学ぶことができたことが楽しかった。
授業に関連するいろんな本を読むのも楽しかったし、レポートを書くこともまた楽しかった。

「オレってホントに勉強が好きなんだな」って思いました。
遊びと勉強の境界線がよくわからないので、自分としては遊んでいるのとまるでかわらなくて、徹夜して眠いことはありましたが、つらいことはありませんでした。

誤解のないように補足をすれば、学ぶことは大好きなのですが、だからといって決して勉強が得意なわけではありません。
記憶力が悪くて、すぐに忘れてしまいます。
そもそも覚えることが苦手なのだと思います。


さて、大学院を修了してからも、シンポジウムや勉強会などたくさんのいろんな機会を提供してもらえることはありがたい限りです。

コロナ禍でしばらくリアル開催ができなかったのですが、3年ぶりにビジネスデザイン・フォーラムがリアル開催されたので参加させていただきました。

そこで、この本をいただきました。

昨年は日本マネジメント学会、第86回大会で報告をさせていただいたのですが、「RBS修了生です」と自己紹介をすると「亀川先生のところね」「亀川先生にはお世話になっています」とたくさんの先生方に声を掛けていただき、良くしていただきました。
それだけでも、亀川先生には本当に感謝をしています。
また、つくづく人望の厚いすごい先生なんだなあと思いましたが、この本を読むとさらにその思いは強くなりました。

自分がRBSに在籍していたときの研究科長が亀川先生で本当に良かったと思っています。


やっぱり大好き、クリエイティブな組織

私はクリエイティブな組織のあり方やシステム、モチベーションなどに関心があって「クリエイティブな企業における内発的動機づけの仕組み」を論文のテーマとしました。

指導教員は山中伸彦先生です。

その山中先生が第1章「企業のイノベーションと組織デザイン」を担当されていて、イノベーション志向の組織について書いています。

バーンズとストーカーの有機的管理システム、ミンツバーグのアドホクラシー(革新的コンフィギュレーション)を用いてイノベーションを実現する組織の特徴が説明されていて、たいへん勉強になりますし、読んで思うのは、やっぱりこの手のテーマが自分は大好きなんだということです。

有機的な組織とは、そもそも非効率なものです。
対比されているのは機械的組織です。
機械的組織では職務が細分化されていて、権限は階層的で、効率化、合理化がめざされています。
変化がない安定した環境に適しているのが機械的組織です。
今のような変化の激しい環境では有機的組織が向いているといいます。

しかし、働いている人の立場からみたら、いくら安定した環境下であったとしても、機械的組織なんてぜんぜん楽しくないんじゃないかなと自分は思います。

山中先生のもとで学んだので、私の修論でもバーンズとストーカーやミンツバーグのアドホクラシーは登場しています。
さらに加えてゲイリー・ハメルのマネジメント2.0の組織や、ご存知、フレデリック・ラルーのティール組織の特徴などと照らし合わせてクリエイティブな企業の分析をしました。

今、自分の論文を読み返してみると、焦点が絞れていないし、まとまりがなく、ただただ恥ずかしい限りではありますが、とはいえ、ここから次の研究テーマを見つけることにつながったことは良かったなと思っています。

第1章 企業のイノベーションと組織デザイン

企業家と銀行家の役割を分担する

亀川先生愛に溢れていて、もちろん、どの章も素晴らしく読み応えがある本なのですが、個人的に印象に残っているところをもう1章、取り上げるとするならば、それは第14章の「日本的な資本市場とイノベーション」(谷川寿郎先生)です。

サラリーマン生活は楽だなと思いながら、一生に一度くらいは会社を経営してみたいものだとも思っています。

しかし、50歳代も後半になり、そろそろチャンスの締め切りが近づいているなと感じています。

弟と一緒に高齢者を対象としたビジネスのプランを計画していて、いつかは実現させたいと思ってはいるのですが、なかなか踏ん切りがつきません。

それはなぜかといえば、やはり失敗が怖いからです。

イノベーションを起こすには、進取の気性と冒険心を持ち、困難と思わせる事業に果敢に挑戦する”企業家”と、事業失敗のときの危険を負担する”銀行家”が必要なのですが、日本ではその両方を企業家が背負わなくてはならないようです。
そのため、イノベーションが起こりづらいのだといいます。
なるほど、その通りだと思います。
自分の躊躇いもそこにあります。

それって当たり前で世界共通なのだと思っていましたが、どうやら日本独自の常識のようです。
だとすれば、何か打開策はあるのかも知れません。
今年はいろいろと考えていきたいと思います。

最後までおつきあいいただきありがとうございました。
スキ♡の応援よろしくお願いいたします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?