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すれ違っただけのひと

いつも見守ってくれていたひと
いつも心配してくれていたひと
いつも親身になってくれていたひとだった

お姉さんのように

大好きだったのに

母の旅立ちとともにいなくなる

どうしてなのか分からない
ただ追いかけてはいけないことはわかっていた

母のいない生活は冷たい氷の中
こころもからだも凍ったまま
かなしい気持ちを抱えたまま

わたしはひとり
誰に何を言われても
こころの中ではお願いする
「早く迎えに来て、わたしを置いて行かないで」
それくらい母は大切だった
かけがえのない存在だった
こころは同じ方向を向いて生きて来た
いつも寄り添って

ちょっと前
心友という言葉を知る
母は心友であり同士だった
何でも分かってくれていた

分からないと喧嘩をして
とことん追い詰める

わたしの気持ちを分かってよ

すれ違っただけの人はそれまでの付き合いだった

仕方ないね
追いかけない
かなしいけれど
さよならをする

ただそれだけのことだった



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