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母旅立つ


朝方、あっさりと母が旅立った。
その一時間位前まで息をして、少し話しをしてくれた。

息が苦しかったのだろうが、
口を潤す神様のお水を飲んだ。

次に母の枕元に行くと手が冷たくなって、息もしていない。

長男に連絡をすると119番に電話して、支持をあおげと言われる。
119番に電話をすると心臓マッサージをして下さい。
その間に向かいます。

もういくら必死にやっても母は返って来ない。
いつの間にか救急隊が来て、病院に搬送する。
初めての行ったことのない三次救急の病院。
長男は家からその病院に直接向かう。
救急車の助手席に乗せられ、母の様子を聞かれる。
乳ガン、高血圧、左足の塞栓による左足親指と中指の壊死。
満身創痍。

良くがんばりました。
その言葉しか出ない。

みんなの支えだった母。
いとこも息子も涙声。

家で息が途絶えたから、警察で検視。
まだ戻って来ない。

私は悲しいけれど、母の身体が軽くなって、笑顔で最愛の父にあの世のことを教えられていると思える。

母はよく、もうこの世には出て来たくないと言っていた。

この世の修行は大変だから、肉体のない世界で暮らしたいと…。

わがままな娘でごめんね。わがままばかり言って、母を困らせた私。

もう少し、もう少しだけあなたのそばに居たかった、でもそれは私のわがままだよね。ごめんね。

肉体はなくなっても、いつでも見守っていて下さい。

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