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母はたからもの

冬至の日
もらった柚子を入れ風呂に浸かる

あぁ、気持ちいい
風呂上がりに
「たからもの」という言葉が湧いてくる
宝といえば子供だけど
わたしにとっては母のこと

素直に「ごめんね」が言えなくて
母のベッドの枕元にゆき
頭を撫でる
「そんなことをするならば、もっと優しくして…」
不機嫌そうにわたしを見る
そう言われてもなぁ
それを素直に出来ないから
苦し紛れに頭を撫でているのにな

わたしの気持ちも分かってほしい
いつもいつも
そんな風に感じていた

わたしのたからもの
それは母なのに

さみしくて、さみしくて
泣いている

いつまでも、いつまでも

誰しもがこらえている
かなしさを
くるしさを
やるせなさを
わたしはいとも簡単に口に出す

嘘はつけない

たからものは手放せない

本当は見えないけれどずっとずっとそばにいてくれる
母はやっぱりたからもの

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