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さみしい目


あのさみしい目を忘れない

母をひとり残して
わたしは自分の家に帰る時

母はさみしい目をしてわたしを見つめていた

本当は母をひとりにしてはいけなかった
そばにいるべきだった
こころのどこかで感じてた
後ろ髪を引かれていた
分かっていたのに

わたしは自分のこと、息子のことでいっぱいで
一番大切な母のことをおざなりにした

そうしたら母はさっさと肉体を脱ぎ捨てて神様の世界に還って行く

本当はぼろぼろの肉体をやっとの思いで支えてた
きついのに辛いのに
頑張って生きていてくれたのに

わたしが冷たくしたからか
わたしのせい、わたしのせい

ずっと自分を責め続ける
後悔をしないとわたしが生きてゆけないから

母のことを大切にしただろうか
もっともっと大切にできたはず

いなくなってから気づいても遅いのに
残される者のかなしさ、さみしさを今頃になってから

姿のない母は
「分かってる、分かってる」と
わたしの肩をやさしくなぜてくれているだろうか

あの世に還った家族に迎えられ笑顔でしあわせに暮らしているはずだから

もうあのさみしい目はしてないね

もうあのさみしい目を二度とさせてはいけないから

お願いだから笑っていて

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