昼間の月

空を見上げると

月がいる

昼間の月

一年ぶりにあった人

心学びの母の友

私から声をかけた

「お母さん、お元気？」と聞かれると

「母は昨年12月に亡くなりました」

と言えた

その方は少しだけ驚かれたが

「うちも娘が1月に亡くなって、40歳だったのよ」

今度は私の言葉が出ない

障害のある娘さん

彼女を連れて

こころを学びに来ている姿を覚えている

いろいろ事情があって

13年前から遠くの施設にいると聞かされた

みんないろいろ抱えている

見えない苦労がいっぱいある

その人はいつも会えば、物静かに娘さんのことを話してくれた

子を亡くした母は毎日毎日

遺影に向かって涙を流すと

淡々と語ってくれた

うんうんと黙って

うなずく

目立たないけど、心を込めることの上手な母の大好きな友

昼間の月のような人

ずっとずっと心から離れない母の友

いつも手作りのかわいい、かわいい野の花の花束をおやさまに持って来て捧げている人