ぱったりと

教会のルーベンスの絵の前で
天に召されるネロ

かなしい物語だと思っていたが

そんなことはない
天使に連れられて
神の国に還る

いいなぁ

今は少し具合が良くない
何だか身体がだるい
ご飯も食べないで布団に潜る
朝も起きられない

こんなの甘えだよね
でもひとり
本当にかなしくなる

そして思う
母にお願いをする
「迎えに来て」

何かイヤなことがあると必ず言う
「迎えに来て」祈るように
きっと母はいやな顔をしているはず

ネロのようにぱったりとあの世に還りたい
願えば叶う

祈りなさい
早く、早くにぱったりと実相の世界に還りたい

お願いをした

ありがとう

夜中にふと「フランダースの犬」の話を思い出す
わたしも神の御胸に還りたい
うらやましい

でも必死に生きないと

生きるのは魂の成長といわれるが
こんなにも苦しみが深いから
もう肉体はいらない

いいことも良くないこともあっての人生だけど

さみしくて、さみしくて耐えられない