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新しいバスシステム「東京BRT」 そのダイヤグラムを予想してみた

いよいよ開催まで1年半を切った東京五輪。お台場エリアをはじめとする臨海部を主な会場とする東京五輪にあわせ、新しいバスシステム「東京BRT」が登場します。今回は、「東京BRT」について公開されている概要から予想ダイヤを考えます。

(この記事は2019年4月に会員限定記事として配信したものです。)

「東京BRT」の概要

「東京BRT」の構想は、もともと2011(平成23)年度から中央区が検討をはじめたLRT計画にさかのぼり、2013(平成25)年には「基幹的交通システム導入の基本的考え方」をとりまとめています。

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▲都営バスで運行されている燃料電池バス(2017年5月、鳴海 侑撮影)。

 ここでは臨海部を中心とする人口増加に公共交通インフラが対応仕切れていないところから、基幹的交通システムの導入が必要であるとされました。そして、混雑が課題となっている勝どき駅をはじめとする臨海部の人口増加への早急な対応と、将来のまちづくりを踏まえて柔軟な計画が立案できる交通機関として、BRTの整備が基本的な考え方として示されました。

 このときルートとして有力だったのが、有楽町駅を起点として銀座のみゆき通りと整備中の環状2号線を通り、晴海トリトンスクエアに至る約4.2kmのルートでした。将来的にはLRTへの移行も視野に入れた計画となっており、2012(平成24)年に行われたルート検討の議論ではバスの車庫施設の検討の項目もあり、LRVの収容可能編成数も考慮されていました。

 2014(平成26)年8月には東京都都市整備局から「都心と臨海副都心とを結ぶ公共交通に関する基本方針-BRTを中心とした中規模な交通機関の必要性-」が公表されました。このなかでは従来の晴海・勝どきといったエリアに臨海副都心エリアにおける新しい交通機関の必要性が示され、BRTにより整備するとしていました。

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▲「東京BRT」の運行計画図(画像:東京都)。

 ルートとしては中央区の計画からは変化し、新橋・虎ノ門を起点として、整備中の環状2号線を軸として都心と臨海副都心を結ぶものになりました。さっそく事業協力者が公募され、京成バスと東京都交通局が2014年10月に選定されます。また並行して「都心と臨海副都心とを結ぶBRT協議会」が開かれ、そこで2020年を見据えたサービスおよび自動運転や燃料電池バスの活用を検討し、また統一されたコンセプトでBRTの整備が必要とされました。

 それをうけて2015年4月には「都心と臨海副都心とを結ぶBRTに関する基本計画」がとりまとめられました。この中ではBRTはトータルデザインを行い、燃料電池バスの導入を積極的に行うことが示されました。そして具体的なスケジュールとして2019年度からのBRT運行開始、2020年度以降のBRT本格運行というスケジュールが出されます。

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▲2017年3月に2台が導入された都営バスの燃料電池バス。2018年3月からは量産型が3台導入されている(2018年5月、草町義和撮影)。

 ここから具体的な運行に向けた動きにシフトします。2015年9月には運行事業者として京成バスが選定され、翌2016年4月には「都心と臨海副都心とを結ぶBRTに関する事業計画」が公開されます。BRT運行にあたっては新会社を設立することとし、新会社には独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構による出資制度の活用を検討することになりました。この計画は2018年8月に1度改定しており、主な変更として環状2号線の整備進捗の遅れに伴う運行計画の変更が行われています。

 2018年にはBRTの名称募集(8月~9月)とデザイン募集(11月)が行われ、名称は応募数が最も多かった「東京BRT」、デザインは「地域を『つなぐ』 驚き、賑わい、変化」をコンセプトにシンボルカラーをレインボーとしたものになりました。

東京BRTの予想ダイヤ

 では、実際の運行ダイヤ予想に移ります。

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