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【第68回岸田國士戯曲賞最終候補作を読む】その4 池田亮『ハートランド』


候補者について

池田亮[いけだ・りょう]
1992年生まれ。埼玉県春日部市出身。東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。ゆうめい所属。劇作家、演出家、俳優、造形作家。初の最終候補。

候補作について

昨年4月、ゆうめい本公演として東京芸術劇場シアターイーストにて上演。

■時代、場所
 現代(2021年/2023年)。観光地から離れた山奥にある店ハートランド。
 シーン・0(開演前)
 シーン・1 2021年、春、昼 映画館
 シーン・2〜11 2023年、春、昼過ぎ〜夜 ハートランドおよび羽瀬川仁のアトリエ前
 シーン・12 夜明け前 海が見える丘
 シーン・13 ハートランドおよび海が見える丘

■登場人物
 ユアン フイミン(28)自称アジア系の外国人。台湾生まれ
 岡正樹(31)ドキュメンタリー映画監督
 相葉三映(37)俳優
 羽瀬川仁(33)画家。元柔道部
 江原幸子
(44)常連客。元陸上部
 須田学(58)元教師。映画泥棒

■物語
 数年前、『ハートランド』という名の映画の公開日。劇場映画をビデオカメラで撮影し海賊版の制作をしていた須田を映画館で捕まえた岡。岡はそれを機に、商業映画の監督である父の影響もあり、映画に興味を持ち監督を志す。数年後、岡は俳優の相葉とのモキュメンタリーを撮影しに相葉の地元へ向かう。相葉の幼少期から馴染みのある、映画のタイトルと同じ名前の店、ハートランドに寄ることになった。そこは昼間はブックカフェ、夜はバーやライブスタジオ、そして駆け込み寺である。様々な背景を抱えた人々が集まり和気藹々としている、俗世とはかけ離れた場所だった。久々に訪れた相葉だが、様子が変わっていることに気付く。マスターさえいない。夜、相葉の知り合いである江原と羽瀬川を含めた4人で鍋を囲む。ハートランドに外国人のユアンが駆け込んできたことにより関係が崩壊した話が告げられる。そしてユアンに惚れ込んだ人たちの中に、かつて自分が映画館で捕まえた須田がいることを岡は知り……。【公式サイトより】

総評

 この作品は実際の上演を鑑賞(こちら)しているが、うーん、戯曲を読んでもやはりついていけなかった。金子鈴幸さん同様、新作『養生』の方が好きなのでそちらで受賞してほしい。笑

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