弁当の話
毎日手作りの弁当を持っていくのが夢だ。
Instagramでお弁当の画像を検索すると
弁当箱ぎっしりつまった色とりどりの
おいしそうなお弁当が並ぶ。
本屋さんに行ってもお弁当のおかずの
本が気になる。
他人の弁当も気になる。
どんなおかずかどんな配置か
覗いてみたくなる。
3年近く週2ペースで
お弁当を作っているが
普段のお弁当はとても
他人に見せれるようなものではなく、
なんだかとても「うーん、」な
出来になってしまう。
たまに気分がのって
前日におかずをひょいひょい作れるときがある。
そんなときはお昼におかずをひらくのが
とても楽しみに午前中を過ごせる。
食べる前には写真をとって残しておく。
私のお弁当へのこだわりはおそらく
母から来ている。
私の母はお弁当をつくるのがとても上手だ。
おかずはもちろん、配置彩りも完璧だ。
赤はミニトマト、緑はブロッコリー
それに大おかずに小おかず、
デザートもついていた。
中学、高校とお弁当持参の学校に
通った私は母の弁当を毎日楽しみにしていた。
私は母に聞いたことがある。
なぜお母さんはお弁当作りが上手なのかと。
母の出身は
中国地方の山の中の集落である。
兄弟3人と両親と祖父母と
田んぼや畑の手伝いをしながら
台所も担当する母の母は
大忙しで、なにより毎日のメニューは
煮物や和え物といった
色とりどりとは言えない渋い料理ばかり
だったそうだ。
お弁当作りを頼んだら
彩りなんておかまいなしの
茶色い弁当が出来上がる。
仕方なくそれを持っていくけど
やはり周りの同級生達のカラフルな
お弁当が心底うらやましかったそうだ。
そこで母は
お弁当作りを自分でするようになり、
無いおかずの中からなるべく彩りがありそうな
ものを選んで、こうおかずを置いたら
お弁当が映えるというのを研究し
弁当スキルを上げていった。
そして結婚し、子供が出来
自分と同じ思いをさせないように
お弁当には大変気を遣ってくれた。
冷凍食品はなるべく使わず
隙間という隙間はおかずで埋め尽くされ
寄り弁になることも全く無かった。
そのおかげで私はお昼の時間にみじめな
思いをすることはなかったし、
ちょっとたまにパンを買って食べたいなと(笑)
思うくらいで何不自由なく育った。
だからわたしは
お弁当のハードルが人より高いのだとおもう。
冷凍食品ばかりになったり
隙間が空いてしまってどうしようもなくなった
お弁当をごまかして持っていったら
必ず寄り弁になったりと
何かしらモヤモヤした気分になる。
毎日楽しみになるような
そんなお弁当を作っていくのが
夢なのだ。
しかし、簡単にみえてそれって結構
難しい。。
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