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方法論

「あのさ、ちょっと殺したいヤツがおんねん」
「そういうの、やめとき。アカンて」
「ホンマ、サイテーなヤツでさ。恨み骨髄に徹すって言うかさ。許せへんねん」
「怒りとか恨みを抱えて生きるのって不健康やで? 愛をもって平和に生きようや」
「味方やおもて信頼しとってんけど、後ろから銃撃される様な裏切り方をされてん」
「ま、ま、人間同士、行き違いはあるし、そんなつもりはソイツにはなかったんちゃう? そういうのんを許し合って生きるのがヒトやで。殺したいとか言うたらアカンて」
「普段の生活態度も悪いねん、ソイツ」
「ま、ま、そういうヤツはおるよ。おるおる。だからと言って殺したいまで言うたらアカンわ」
「ぐっちゃぐちゃにすり潰してやりたいわ。もう、ホンマ、ムカツク」
「アカンで。だいぶ穏やかやないで。そこまで言うたらアカンねんて」
「ソイツ、どんな店行っても店員にタメ口やし」
「そら殺さなアカンな。うん、そういうヤツは死んだ方がいい」
「せやろ?」
「あー。店員にタメ口はホンマにアカン。ほなら、どうやって殺すねん、ソイツ」
「デッカイミキサーにさ、ソイツを入れてボタンをピッと押してウィーン、バキバキバキとかさ」
「そんなミキサーどこにあんねん」
「アスファルトを平らにならすあのごっつい工事車両でつま先からゆっくりじわじわ押しつぶしていくとかさ」
「発想がサイコやねん。コワイコワイ!」
「一滴でも飲んだら身体がパーンってはじけ飛ぶような毒でもあったら飲ませてやりたいわ」
「なんなん、さっきから。ソイツの原型なくならすような方法ばっかりやんけ。コワイのぉ」
「せやねん。言うたやろ?ぐちゃぐちゃにしたりたいって」
「あ、ソコがポイントやってんね。そういう事か」
「で、どれがいい?」
「え、オレ?オレやったん?オマエが殺したいのって」
「店員であるオレに、オマエずっとタメ口やしな」
「え? せやったん?」

-了-

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