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出産子育て支援窓口の一本化と公民連携の可能性(一般質問予告)

9月18日に、議会一般質問が予定されています。

2020年11月から始まった、今の町議会議員任期最後の一般質問です。
私は、
・再エネの期待と不安にどう答えるか?
・こども家庭センターの設置は?
の、二本立てで質問を用意しています。

ここでは、後者について、質問の背景を整理しておこうと思います。



私が議員になるちょっと前に、「周防大島町第2期子ども・子育て支援事業計画」(令和2年度~6年度)が策定されました(現在ウェブ上に掲載なし。why)。
今年度、令和6年度には、次期計画(令和7年度~)の策定が行われています。

この5年間で、子育て環境を取りまく世の中にはすごい変化がありました。全国的には、コロナ禍、こども家庭庁の設置、児童福祉法の改正、物価高騰など。
本町についてみると、複数の保育園の閉園、小中学校の合併など。すでに、子育て支援の必要な前提条件がより厳しくなっていると感じます。

周防大島町の出産子育て支援

しかし町でも、妊娠出産子育てのあらゆる段階に対して、細やかな支援策が展開されてきています。
金銭的負担の軽減でいうと、

・保育料無償化
・小中学校給食費無償化
・高校生までの医療費無償化
が目立ちますが、

令和6年度は、妊娠・出産・育児の様々なステージで、きめ細やかなサポートができるように事業が工夫されたと感じています

周防大島町議会だより 2024.4第77号

ただ、点在する集落がたくさんある広い周防大島町では、子育て世帯も点在。さらに移住者が多いと言われる本町では、いざという時に頼れる親族のいない核家族も少なくありません。
子どもの人数、子育て世帯の数は少なくても、抱える悩み、困りごとは多岐に渡ります。

児童福祉法改正に伴い「こども家庭センター」設置が努力義務に

令和6年度から施行された改正児童福祉法の中で、市町村は「こども家庭センター」の設置に努めなければならないとされました。
こども家庭センターは、全く新しい業務が発生するというよりは、従来の母子保健を担う「子育て世代包括支援センター」と、児童福祉を担う「こども家庭総合支援拠点」の機能を統合したもので、両分野の一体的な運営によって、出産前から子育て期にかかる切れ目のない支援を行うことが大きな役割です。
新しいこととしては、支援が必要な対象者へのサポートプランの作成や、民間団体と連携しながら支援体制を強化するために地域資源の開拓なども行うことなどが挙げられます。

こども家庭庁「こども家庭センターについて」より抜粋

早い自治体では令和6年度にはセンターが設置されていますが、本町にはいまだ設置されていません。現在、こども家庭センターの設置に向けて、どの程度検討が進んでいるのか、質問する予定です。

”一体的”な支援のための拠点はどこに?

20年前の4町合併時から、分庁舎方式をとっている周防大島町。
現在、母子保健を担う「子育て世代包括支援センターOHANA」は日良居庁舎の健康増進課に、児童福祉を担う「こども家庭総合支援拠点」(家庭児童相談室)はたちばなケアプラザの福祉課にあります。

子育て世代包括支援センターとこども家庭総合支援拠点の位置関係

今でも、案件によっては2つの窓口を行ったり来たりすることもあるそうです。
今後こども家庭センターを設置するとなると、少なくとも現在のこの2つの窓口が一か所にまとまることが必要になります。
国道沿いにあり、町内各所からアクセスしやすいけど子育て支援行事を行う部屋が2階で階段しかない、日良居庁舎。少し入り組んでいるけどすぐそばに大きな公園があり子どもが遊べる、たちばなケアプラザ。町としては、どこに設置する考えなのでしょうか…?気になります。

公民連携して子育て支援を

こども家庭センターの役割の中には、

地域全体のニーズ・既存の地域資源の把握を行うとともに、不足する地域資源については新た な担い手となり得る者を発掘・養成し、地域資源のネットワークを形成していくなかで、既存 のサービスや団体とマッチングをさせていく。また、財政支援(家庭支援事業などの担い手に 対する市町村の財政支援のこと)等と結びつけること等により地域資源を開拓し、関係機関間 の連携を強めることにより、地域内の子育て家庭へ必要な支援を着実に提供できる体制を整備 する。

こども家庭センターガイドラインより抜粋

ということも、示されています。
地域の支援団体や関係機関との協力関係の構築や新たな 地域資源の開拓」というのは、これまで町がなかなか苦手としてきた点ではないでしょうか?

住民や民間の力を借りるという場合でも、行政側が法令や規則に定められている協議会を立ち上げたり役職を任命したりして、連携して施策を展開する、というのがこれまでのやり方だったのではないかと思います。

住民ニーズが多様化し、それぞれの家庭が置かれている環境も様々で、行政のマンパワーも縮小する中、住民、民間団体とも力を合わせて、課題解決に取り組まなければ間に合わない、ということなのではと考えます。

パブリックマインドを持ち、子育て支援分野で自ら活動をしている方々がすでいらっしゃいます。まずはそういう動きをしっかり行政がキャッチして、伴走して活動を支援していくことが、すそ野を広げサポートの手を増やしていくことにつながると考えます。
さらに、活動に対する支援があれば、新たに活動をしてみようという人も出てくるかもしれません。

例えば山口県では、県が中心となって結成したやまぐち子育て連盟が設立した「やまぐち子ども・子育て応援ファンド」を運用し、子育て支援団体等の活動を支援しています。その中に、こども食堂の開設・運営の支援メニューもあります(時限あり)。この制度を活用し、山口県子ども食堂ネットワークのサポートをうけ、本町でも昨年令和5年度に町内初のこども食堂が始まり、現在は3団体が活動しています。



ほかにも子育て世代の情報交換やイベント開催にとりくんでいる団体があったり、


従来からある母親クラブによる活動もあります。

そういった民間団体との連携や、ボランティア活動の支援を行うことで、より一層の効果が見込めるのではないかと考えます。


「山口県一子育てしやすい町」というより、実際には、立地条件では不利な周防大島で出産子育てをしようという方にとって、「周防大島で子育てできる、子育てしたい」と思える環境づくり・サポート体制を進めることが求められているのではないでしょうか。


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