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~第21回 気をつけよう、騙されないように!!!不動産購入時のトラブル!!体験談 住宅ローンが通らないのは何故?~

 神奈川県横浜市戸塚区の女性ライダー弁護士西村紀子です。
 一人の弁護士として、一人のライダーとして、そして、一人の人間として、日々感じたり観察したりしたことで、皆様のお役に立つと思えることを、つぶやき発信していきます。

 本日のブログは、一人の弁護士として不動産トラブルの発信です。

  不動産について全くの素人である私の大親友Kさんが、憧れのマンション購入を試みて、トラブルてんこ盛りの体験をしました。
 憤懣やるかたない彼女の依頼を受け、ブログに掲載させていただくことになった、Kさんの体験のレポートです。
 本日は、第21回目。

 前回、Kさんは、T物件を購入するための融資を、事前審査で最優遇金利の満額回答をくれていたN銀行から、物件審査をした途端に断られたことにより、憧れのT物件に実は何か問題があるのではないか、と考えるに至りました。


 そこで、Kさんは、C氏からもらっていた資料一式を持参して、私に相談にみえたのでした。


 第15回でも書いたとおり、Sマンションは、元々、Sマンションの敷地の地権者であるF家が1970年末に新築して何室かを分譲し、残余の部屋をF家が賃貸していた形の物件でした。


 ですが、おそらく老朽化により、ここ数年は、賃借人が退去した都度、F家の現在の所有者(以下「G氏」とする)が、D社に売却し、D社は、購入したSマンションの部屋をリノベーションを行った上で、売っていることが、敷地の登記簿謄本からわかっていました。
 改めて、Kさんからいろいろな資料を見せてもらったところ、さらに、以下のようなことがわかったのでした。

① 今回の物件のあるSマンションの敷地は、正確には、マンションが建っている甲地、建物に向かって右側の入り口の一部の敷地である乙地(約15平米)、左側の入り口と駐車場・駐輪場の敷地である丙地(約50平米)の3筆にわかれていて、総計450平米強。

② 全敷地の約1/9を占める建物に向かって左側の乙地約50平米は、Sマンションの建物自体が立っているのではなく、駐輪場・駐車場になっている規約敷地(※)ですが、ここはSマンションの区分所有者のものでもSマンションの管理組合のものでもなく、元々の地権者F家のG氏(前記のとおり、G氏はSマンションの部屋も持っている)の単独所有となっている。

③ 登記簿とSマンション管理組合の規約を見る限り、乙地とSマンションの関係については、

 “G氏の単独所有であるが一部を通路として使用することを認める”

とあるだけ。借地権ですらなく、せいぜい使用貸借。

 よって、仮にこのSマンションの一室をローンを組んで購入するとしても、ローン会社は、規約敷地である乙地に抵当権を設定することができない。


④ 丙地と甲地とはもともと一筆の土地であったが、F家は、1970年代末にSマンションを新築直後に、甲地から丙地を分筆している。

 そして、乙地を更地として、事業資金借り入れのための抵当権設定を行ってきている。


⑤ G氏はここ数年、自分が所有するSマンションの区分所有を、部屋にもよるが、概ね1500万円前後で売却しているが、今回の物件については、D社に対して1000万円跳ね上がった2500万円で売却しているようである。

などのことが、わかったのでした。

(続く)

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