~第21回 猫は偉大なり 番外編 ある地域猫がくれた優しさと勇気~
神奈川県横浜市戸塚区の女性ライダー弁護士西村紀子です。
一人の弁護士として、一人のライダーとして、そして、一人の人間として、日々感じたり観察したりしたことで、皆様のお役に立つと思えることを、つぶやき発信していきます。
2023年11月22日。「ワンワンニャン」の日。
人間に寄り添い支えてくれる崇高な生き物たちであるワンワンとニャンニャンに感謝を捧げる日。
というわけで、猫好きの筆者は、本日は、ニャンコ記事を!!とかねて思っておりましたので。。。。。
本日は、第21回 「猫は偉大なり」の 番外編 「ある地域猫がくれた優しさと勇気」です。
「猫は偉大なり」は、初代の「私の猫」である「たま」シリーズでしたが、今回は、「たま」のことではなくて、やはり、猫は偉大だ、と教えてくれたある地域猫の想い出をつぶやきたいと想います。
筆者が以前暮らしていた地域では、川沿いに地域猫が、おそらく10匹くらい暮らしていて、猫好きの人たちがお世話をしていました。
筆者と夫は、その地域に引っ越してきたばかりのころ、川辺を歩いていたときに、1匹の女の子の成猫に出会います。
かなり、
フカフカ、
モコモコ、
丸々、そして、
ズッシリとした、
立派な体型の、
グレーの毛色の女の子の成猫
です。
お世話をしていた猫好きの方達の中でも有名な人気者の地域猫でした。
私と夫は、この地域ニャンコに、勝手に
「ウメちゃん」
という名前を付けました。
愛嬌たっぷり
でありながら、どこか、初春の寒空に咲く梅の花を思わせる清々しい
凜とした雰囲気
のあるにゃんこでした。
私たち猫好きは、川沿いを通りがかりに会えたときには、ウメちゃんに遊んでもらっていました。
ウメちゃんは、とても賢いニャンコで、猫好きの人間はわかります。
そして、猫好き人間に対しては愛嬌満点で、可愛い声で鳴きながら、すり寄ってきてくれるのです。
足の甲に乗っかってきてくれた時などは、
ズッシリとなかなかの重量
です。
そして特に。。。
猫を飼っている猫好き人間が、自宅の猫のために、買い物でパウチを買ってきていることまでわかるよう。買い物ビニール袋から透けて見えるパウチの袋でわかるのか、それとも、ほのかな匂いを察知していたのか、それは、全くわかりませんでしたが。。。
仕事帰りの買い物で買ってきたパウチの存在を察して、すり寄ってきて、
「あたしにも頂戴(ちょうだい)」
とでもいわんばかりに可愛い声で鳴きながらすり寄ってくるのです。
筆者のような猫好きには抵抗は不可能で、遊歩道で、パウチをあげたりしたものでした(ちゃんと最後まで見守って、片付けもしていました)。
こんな愛嬌満点の現金な地域猫ウメちゃんは、地域の猫好きの人気者でしたが、ただそれだけの猫ではない、ということを感じた出来事がありました。
ある春先の晩のことでした。
当時、筆者は、本業の弁護士業で、まだまだ事件コントロール力が十分でなかったこともあり、ある筋の良くない事件の当事者に、ヘトヘトフラフラになるほど悩まされていました。
そんな事件でヨレヨレに疲労しながら、帰宅途上にあった夜、ウメちゃん達が住まう川辺を歩いていたとき。
突然、進行方向から、何か
大きなボールのようなもの
が、筆者に向かって突進してきているのが目に入りました。何かと思ったら、なんと、
ウメちゃん
だったのです。
ウメちゃんは、かなり遠くから、(その時はパウチも持っていなかった)筆者に向かって疾走して突進してきたのです。
そして、筆者の足元に到達するや、行ったり来たりしながら、そして、訴えるように大きな声で鳴きながら、顔をすり寄せてくれます。まるで、
「そんな奴に負けちゃ駄目よ!!!!!」
と言ってくれているかのように。
“今日は何もごはん持ってないのに・・”
なんて一瞬頭をよぎってしまったのですが、何より、
“わかるのだろうか?悩んでいることが。疲れていることが。”
“ずっと遠くにいたのに……”
“励ましに来てくれたの?”
という驚きに包まれました。
“よっぽど悩んでるオーラを出していて、とても放っておけない、と思ってくれたのだろうか。。。”
と恥ずかしい気持ちにもなってしまいましたが、そうはいっても、なにより、
“なんてすごい子なんだろう・・・”
“なんて賢くて、優しい子だろう・・・"
“ありがとう・・・!!”
という気持ちでいっぱいです。
筆者は、その場でかがんで、ウメちゃんに
「ありがとう、ありがとう」
と言いながら、ウメちゃんをなでなでなでなでして、しばらく過ごしました。
筆者を悩ませていたその事件は、後に、無事終結しました。
さて、愛嬌満点でアイドル的地域猫であるウメちゃんは、ご飯には困らなかったのですが、やはり地域猫なので、生活の場は、外です。
冬の寒い時期に、香箱座りをして寒さをしのいでいる姿を見てしまうと、とても切ない気持ちにもなっていました。
筆者も可能なら自宅に引き取りたいくらいでしたが、当時居住していたマンションは猫は1匹までで、すでに2代目の「私の猫」がいたため、ウメちゃんを引き取ることはできない状況でした。
そんなことも思っていたところ、あるとき、ウメちゃんが、川辺から姿を消しました。
“どうしたのだろう?”
“病気だろうか?”
と心配していて川辺では辺りを見回して目をこらしていたのですが、一向に姿を見つけることはできなかったので、猫をお世話している方を見かけたときに、
「このあたりによくいたグレーの雌猫は最近見かけないですが、どうしたかご存知ですか?」
と聞いてみました。すると、
「ああ、『せいちゃん』ね。あの子は世話していた人に引き取られて、家猫になりましたよ」
とのことでした。
私と夫が「ウメちゃん」と呼んでいた子は、お世話をしてくださっている方達の間では、「せいちゃん」という名前だったことがわかりました。
思えば、「せいちゃん」という名前も、愛嬌たっぷりでありながら清々しい凜としたウメちゃんにぴったりの名前だったのだと思い至ります。ウメちゃん(=せいちゃん)のファンの猫好き達は、みんな、ウメちゃんの魅力をわかっていたということでしょう。。。
そして、、、ウメちゃん(=せいちゃん)が引き取られて家猫になっていたことがわかって、心から安堵しました。
もう会えないのは寂しいけれど、ウメちゃんは夏は涼しく冬は暖かい部屋で暮らせるようになった。
私達も、冬の寒さをこらえているウメちゃんをもう見なくて済む。
ウメちゃんの魅力は、近隣の猫好きには周知のことだったけれど、やっと、状況とタイミングが合致して、ウメちゃんの魅力を知っている方が引き取って、家猫になることになったのだ。。。
帰宅してから夫に、事の次第を報告して、二人で喜び合いました。
ウメちゃん。
長い間、川辺で、愛嬌と癒やしをありがとう。
優しさと勇気をありがとう!!
あなたは、最高に素敵な地域猫だったよ!!!
偉大な猫という生き物の中でもさらにスーパーなウメちゃんだから当然だね。
これからは、一緒に暮らすことになった人と一緒に、うんと幸せになってね!!!
(終)
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