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【海外幼児教育&保育】幼児教育と早期教育の違い

こんにちは!
カナダのカレッジで幼児教育を勉強中のNorikoです。

今回は「幼児教育」「早期教育」の違いについてのお話です。幼児教育と早期教育は似たような雰囲気をしていますが性質は全く異なります。


「早期教育」
とは、一言でいうと先取り学習のことです。幼児期の子供の脳は毎日ものすごいスピードで発達します。その性質を使って特定の脳の部分を鍛える学習方法が早期教育です。例えば第二言語の習得や、読み書き、計算など特定分野の学習を主にすることです。幼稚園や小学校の受験対策などにも取り組まれることが多いですね。

一方「幼児教育」とは、子供の健康的な発達・成長を促す年齢にあった学習を主にすることです。私がカナダのカレッジで学んでいる「幼児教育」は子供に質の高い豊かな学びの場を提供することを主に、幼児教育者は幼児に関する知識、サポートする技術、さまざまな場面で活用するテクニックを使って子供の健康的な発達・成長をサポートすることが大切とされています。小さい子供の能力やスキルは生まれ持った遺伝子や気性が大きく影響されます。しかし大多数の健康的な子供には「好奇心」が備わっていて、幼児教育者はその性質を最大限に活用します。さらに小さな子供は生理的欲求が満たされて初めて学ぶ準備が整います。幼児教育者はそのタイミングを待って、子供が興味を示したものを使ってさまざまな発達のサポートをします。全ての子供は発達するペースが違うので幼児教育者はそれぞれの子供にあった学習教材(おもちゃ等)を提供し見守る姿勢で発達のサポートをします。


私がカナダのカレッジの課題で活用したドキュメントの一つに幼児の発達目安を表にしたものがあり、幼児教育者はカリキュラムを組む時にこれを活用し、さまざまなアクティビティを子供たちへ提供します。
Early Learning for Every Child Today(ELECT)というドキュメントの中では社会性、感情・情緒、コミュニケーション・言語と読み書き、認知、身体能力のカテゴリーに別れたそれぞれの発達目安を見ることができます。
例えば、0ヶ月から24ヶ月の子供の身体能力の目安は、上半身を持ち上げることができる、はいはいができる、一人座りができる、人差し指と親指で物を摘む・持ち上げることができる、つかんだものを右手から左手へ移動するコーディネーションスキル、などがあります。
14ヶ月から3歳児の身体能力の目安は、片足で立つことができる、低い段差からジャンプすることができる、遊具で登り降りができる、洋服のボタンができる、スプーンやフォークを使って食事ができる、クレヨンなどを持って線や丸などが描ける、など。
2歳半から6歳の身体能力の目安は、外の遊具で自由に遊べる、ボールを投げたり蹴ったりできる、三輪車をスムーズにこげる、色々なタイプの洋服を自分で着ることができる、ビーズを使ったアクティビティができる、クレヨンで真っ直ぐな線や三角が描けるなど。

この発達目安を元に幼児教育者はさまざまな学びの場を子供たちに提供します。例えば、「洋服のボタンができる」といってもそこへ到達するには段階があります。幼児教育者は日々の生活の中で指先をたくさん使う遊びを子供たちへ提供し指先の筋肉発達や器用さを習得するサポートをします。それと同時進行で子供の「できた!」を共有・共感し、自己肯定感や自己制御法をサポートします。幼児教育者はそれぞれの子供へ小さな小さなステップを用意し、子供がゴールに到達するお手伝いをします。

早期教育と幼児教育の違いをざっくりとではあるけれど、私がカナダのカレッジで学んだことを元にお伝えしてみました。

Early Learning for Every Child Today(ELECT)ドキュメントは本当によく活用したのでまだまだお伝えしたいことがたくさんあります。これからも応援よろしくお願いします。


参考文書

Ontario. (2007). Early learning for every child today: A framework for Ontario early childhood settings. Toronto: Ministry of Children and Youth Services.


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