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診断無しでの漢方薬選びは危険

漢方カウンセラーで国際薬膳師の池田のり子です。

今年はたくさんの桜を見ました。

その中でもお気に入りは、兵庫県公館。

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建物と桜が本当にステキで、奥にある小さな公園でしばらく瞑想をしました。

心が穏やかになると、体の力も抜けてラクになりますね。

今日は、漢方薬の選び方について書いてみようと思います。


漢方薬は「治す」ものじゃない

こう書くと、「え?!」と思われる方もいるかもしれませんが、漢方薬はあくまでも「中庸(ちゅうよう)に戻すため」の手段です。

中庸というのは、「ベストコンディションの幅」を指します。

点ではなく、範囲と言った方がイメージしやすいでしょうか。

しかも、このベストコンディションは人によって違いますし、同じ人でも環境や状況、年齢によっても違います。

漢方医学は、「そのとき、その人」のベストコンディションを中庸とみなします。

西洋医学は、「多くの人々の平均値」と考えます。

ヘモグロビンがどれぐらい、血圧はこれ以上はダメ…という感じですね。

基準があるのは大切なことですが、それだけで人の健康は決められないのです…。


診断が必要

漢方薬が良いと思われる方が増えてきているのは、私たち漢方医学に携わる人間にとって嬉しいことです。

でも、同時に「もぉっ!!ちゃうねんっ!!」というモヤモヤした気持ちもあるんです。(関西弁で「違うんです」という意味です…)

「頭痛に」って書いているからって、すべての頭痛が治るわけじゃないから。

頭痛が起こる原因はたくさんあり、「なぜ頭痛が起きているのか?」の原因を考えて診断することが必要です。

「便秘に」と書いていてすべての便秘が治るなら、この世の中から便秘の人なんていなくなるはず。

ましてや「ダイエット」や「高血圧」などが全員に効いたら、みんな健康でいるはず。

そんな魔法の薬なんて、存在しません。

そこに「おかしい」と思ってほしいのです。

「いま、あなたの体がどれぐらい中庸から離れているのか」をチェックしなければ、漢方薬は選べないのです。

漢方薬を選ぶときには、四診という4つの診断法を使います。

《望診》
姿勢、体格、肌ツヤ、表情などを目を使って診断します。
舌を見れば、ほぼわかります。
なので、人と会うときに舌を見てしまうクセがあります…。
名前は忘れても、舌を見たら思い出すというかなりのマニアです。

《聞診》
咳の音を聞いたり、耳鳴りの音について聞いたり、耳を使って診断します。

《問診》
既往症、家庭や職場の環境、他にお困りの症状、体全体のチェックなど、お話をしながら診断します。

《切診》
脈やお腹を触って診断します。
私は6ヶ所の脈をみて、総合的に確認をしています。

私がする漢方相談は、初診の方で1時間、再診の方で30分です。

それぐらい時間を掛けないと、本当の原因が分からないのです…。

機械を使って検査をする西洋医学と違い、漢方医学は五感を使って診断します。

なので、私が不健康だと診断がずれてしまうので、常に自分のメンテナンスが必要です。

なんてありがたい仕事なんだ…といつも思います。


ドラッグストアの漢方薬の落とし穴

漢方薬は、ドラッグストアやネットショップなどで気軽に買うことができます。

箱には「○○に」と書かれていますが、これに気をつけて。

箱に書かれている文字は、薬メーカーが作って厚生労働省から認可を取るために考えたものです。

「あなたの病気を治すため」ではないのです…。

薬メーカーが厚生労働省から認可を取る目的を考えてみてください。

薬事法ギリギリで、思わず買いたくなる言葉が書かれているのです。

証(症状が出ている原因やタイプ)が合わなければ、当然期待する効果は出ません。

「漢方薬は時間が掛かるから」と言えば、しばらく服用を継続する…。

もう分かりますよね?

漢方薬はすべてが時間が掛かる訳ではありません。

補(必要なものを補う)と瀉(不要なものを取り除く)の考え方があって、瀉は早いのです。

だからこそ、診断が必要なのです。


病院だから…は安心ではない

病院でも漢方薬を処方してもらえますし、保険適応なので負担も少ないです。

でも、病院での診察時間は数分で、次回の診察まで同じ薬を大量に受け取ることも…。

はっきり言って、うちのような保険適応外の漢方薬屋は高いです。

1日300円~1000円ぐらいまで、使っている生薬によって金額が変わるので、処方が決まるまで金額が確定しません。

薬代として考えると高いかもしれませんが、中医学に精通したプロの診断があると思えば、決して高いとは思いません。

ご予算がある場合は、それを伝えておけば大丈夫。

当店のお客様でも多いですし、その方が私も処方を決めやすいです。

漢方薬は中庸を目指すので、ずっと同じではありません。

体が熱い方に傾いている方にはクールダウンするものを選びますが、ずっと続けているとクールダウンに傾きすぎてしまいます。

それをお客様ご自身で判断することは難しいので、最初のうちは2週間にいちど来店(またはZoomで)いただいて、どれぐらい動いたかのチェックをします。

ある程度安定してきたら、1ヶ月分ほどをお渡しして、お客様ご自身でお薬を増やしたり減らしたりされていますよ。

「お守りにしていたくて」というお客様も多いです。

これ、とても大事なことだと思うんです。

病院が悪い訳ではありません。

きちんと中医学を理解していたり、診断に時間を掛けるドクターもたくさんいらっしゃいます。


前提は「健康」であり、「病気」ではない

西洋医学の病院は「病気」が前提です。

検査をして悪いところがあれば、それを取り除くということが得意です。

それは、それでとても大事で素晴らしいこと。

中医学で考える漢方薬は「健康」が前提で、健康な状態に戻すという目的で選びます。

中庸に戻っても、少しずれることももちろんあって、そのときに「お守り」として漢方薬があれば安心です。

病気になって「怖い」と思うのは、どうしたら良いか分からないから。

でも、「これを飲めばラクになるはず」と分かっている漢方薬があれば、心配事がひとつ減りますよね。

この漢方薬を選ぶ行為は、自分自身に目を向けた証拠。

ステキなことです!!


「証」を見よう

中医学では、「整体観念(せいたいかんねん)」と「弁証論治(べんしょうろんち)」を大切にします。

整体観念は、3つのバランスをみます。

・自然界と人間のバランス
・内臓同士のバランス
・感情と内臓のバランス

このバランスをチェックして、症状の原因を突き止めて、治療法則を決めることを弁証論治といいます。

これができて始めて、あなたにあった漢方薬を選ぶことができて、笑顔になれるのです。

手軽さを重視せずに、中医学に精通したプロの診断を受けてください。

漢方薬だからって安全とは限りません。

めちゃくちゃ冷え症の人が、めちゃくちゃ冷やす漢方薬を飲んだら、症状が悪化しますよね?

大切なことは、あなたが健康で笑顔になること。

私たちは、そのお手伝いをさせていただきます。


漢方薬のカウンセリングは予約制です。
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4月26日(月)14:00~ ウェーブ産経様で講演会
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初回6月1日(火)は、「胃腸ケアでむくみを改善する薬膳」

産経新聞連載「薬膳のススメ」
次回は、3月29日(月)掲載予定です。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。


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