春に増える全身掻きむしりたくなる痒みには、ステロイドよりも漢方薬を
漢方カウンセラーで国際薬膳師の池田のり子です。
今日の神戸は雨で、久しぶりにちょっと寒いです…。
ひと雨ごとに季節が変わっていくのでしょうね。
いろいろ乱れやすい土用期間も、あと1週間ほど。
がんばりましょう♪
GWに予定されていたイベント・講演や出張などが緊急事態宣言でなくなったので、少しゆっくり過ごそうと思っています。
とは言っても、咲美堂は通常営業です!
そして、対応が急ぐ症状でお困りの方が増えています…。
多いのが、皮膚疾患。
それも、幹部が紅くないけど、全身に痒みが広まって掻きむしりたくなるもの。
本当に辛いですよね…。
炎症じゃない皮膚の痒み
皮膚が痒くなると、病院では抗炎症剤や塗り薬が出されることが多いです。
痒み止めを塗って落ち着くと、気持ちがいいですよね。
でも、虫刺されとかだと効きやすいですが、ほとんどの場合が痒み止めでは効きません…。
患部が紅いと抗炎症剤も有効かもしれませんが、それも一時しのぎのことが多いです。
中医学では、「痒い=炎症」とは考えません。
しかも、患部が紅くない方にはまったく効かない…。
そういうお客様が咲美堂にはたくさんいらっしゃいます。
患部を見ても痒そうじゃない…
私の得意分野は皮膚疾患です。
湿疹、蕁麻疹などから、アトピー性皮膚炎やリベド血管炎などの難治性疾患まで。
最近いらっしゃったお客様ふたりは、「どうなさいましたか?」と聞いても困った様子…。
「痒いんです」というお客様に「湿疹とかじんましんですか?」と聞くと、「いや…痒いだけでじんましんじゃないんです」と。
「患部を見せていただけますか?」というと、「どこってこともなく…。で出すと全身に広がって、掻きむしりたくなるんですよね。眠れないんです…」と。
確かに、「ここが痒い」と言われたところを見てもなにもない…。
一見、「ん?そこが痒いの??」という感じ。
でもご本人様は、「もう痒くて痒くて…」とポリポリ…。
本当にお辛そう。
共通点は繁忙期でちょっと焦り気味
来店されたお二人は、年齢もお仕事も違いますが、共通点がありました。
お仕事が繁忙期で、ストレスも多くてとにかく忙しい時期を過ごされていました。
そして、口調が早めでちょっと焦り気味で、いろいろなことに敏感に反応されます。
かなりのストレスタイプのようなので、じっくりお話を伺うことに。
すると、共通点はまだあったのです。
寝ていない!!
血(けつ)が減ってる!!
つめが割れやすい、目が疲れやすいなどの症状もあり、ゆっくり眠れておらず、常に考え事をしている…。
中医学でいう血(けつ)は、赤い血液だけでなく、内臓の潤滑油の役割をしています。
私たちは内臓と会話はできませんが、症状を通して内臓の気持ちを知ることができます。
血が減ってくると、乾燥症状として教えてくれるんです。
□ 肌やつめが乾燥する
□ 筋の伸び縮ができなくてつりやすい
□ 目が乾燥して眼精疲労を起こす
□ 筋肉のこわばりがある
□ 心が穏やかでない
□ 脳が機能せず、物忘れが増える
□ 髪がパサつく
髪の毛は、中国語で「血余」と書き、血が余っていたら髪に届くということ。
なので、血が減ってくると、真っ先に髪にダメージが出るのです。
この血は、目と心と脳を使うと急激に減ってしまいます…。
血を増やすために
血を増やすためには、「消耗を防ぐこと」と「血を作る仕組みが働く」ことが必要です。
どれだけ増やしても、消耗していたら自転車操業…。
まずは消耗を減らして、作る仕組みを働かせましょう。
これらにチェックが入る方は、消耗が多いです。
□ 出血している
□ 目をよく使う
□ 考えごとや悩みごとが多い
□ 寝ている間も脳が動いている
□ 体が過緊張になっている
つまり、頭も体も忙しいと、どんどん血が減るのです!!
そして、これらにチェックが入る方は、「作ることができない」タイプ。
□ 常に忙しくて体力を消耗している
□ よくしゃべる
□ 胃腸が弱い
□ 暴飲暴食をすることがある
□ 口内炎や口唇炎を起こしやすい
□ 歯茎から出血しやすい
食後に眠い方も要注意です!!
http://norihime.livedoor.biz/archives/52856854.html
そして、作ることができないのは、春の季節にも関係があるんです。
春は緊張が増えて風が吹く
春にバランスを崩しやすい内臓は「肝」。
自律神経や運動機能とも関係しますが、ストレスに過剰に反応してしまうちょっと攻撃的な子。
肝が乱れると、イライラして怒りっぽくなります。
心も脳も過剰に動くので、ますます血が減る…。
そして、消化吸収を助ける働きもあるので、胃腸も弱って血を作ることができなくなる…。
しかも、春の気は「風」で、突風が吹いたり、出たり消えたりするのが特徴。
1ヶ所痒くなったら、こっちもあっちも…もうー体中痒い~!!というのも、風の邪気の「風邪」と考えます。
しかも、血は潤いなので、血が足りなくなると乾燥して、風が舞い上がりやすくなります。
だから、春に痒みが増えるんです。
気持ちを落ち着かせて血を作ろう♪
春は痒みが出やすい季節です。
患部が紅くなくて、痒みが全身に広がって掻きむしりたく痒みが出たら、これらをしましょう。
(1)イライラせずに緊張を緩める
(2)血を増やして風を鎮める
(3)消化吸収システム「脾」を整える
痒みを止めるというよりも、痒みが出るメカニズムに対応するという感じです。
これらは、漢方薬で対応することができます。
今回の痒みでお悩み方は、お二人とも2週間でほぼ完治まで対応できました。
あとは少しずつ減薬して、食べものでの対応に替えていきます。
「ウソみたいに痒みがなくなって、とても幸せです。あはは~!!」とお客様。
痒いとすべてのことがイヤになりますものね…。
笑顔になっていただけてよかったです!!
紅いプツプツがある痒みはタイプが違うので、こちらをご覧くださいね。
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