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漢方薬の処方構成と効能

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漢方薬が好きな方、お勉強中の方に向けて「処方構成と効能」「臨床応用」「薬膳への応用」などについて、解説します。
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#咲美堂

肌の色つやが悪く痒みがあり、手足の裏がほてる方に。イライラや炎症を鎮める漢方薬「温清飲」

漢方薬が大好きな方や、お勉強中の方に漢方薬の処方構成と効能について書いています。 今回は、夏の蕁麻疹や皮膚炎、ほてりや出血に使う「温清飲《うんせいいん》」です。 温清飲とは?神戸市中央区にある漢方薬店「咲美堂漢方薬房」で、漢方カウンセラーをしている池田のりこです。 温清飲は、ひとことで言うと「貧血タイプで熱がこもりやすい方の諸症状」にピッタリな処方です。 午前中は比較的元気だけど、仕事や体を動かす午後や夕方ぐらいから疲れを感じやすい方です。 疲れてくると、このような

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胃腸が弱く、食後に体がだるくなったり眠い方に。夏バテ・夏の体力作りの漢方薬「清暑益気湯」

漢方薬が大好きな方や、お勉強中の方に漢方薬の処方構成と効能について書いています。 今回は、梅雨明けして急いで発注した「清暑益気湯」です。 清暑益気湯とは?神戸市中央区にある漢方薬店「咲美堂漢方薬房」で、漢方カウンセラーをしている池田のりこです。 清暑益気湯は、ひとことで言うと胃腸虚弱で夏バテ(疲れ・食欲不振・下痢)しやすい方にピッタリな処方です。 胃腸が弱く体力のない方は、食事の後に体がだるくなって、眠気を訴えることがあります。 このような方は、夏になると食欲が低下

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食欲がなくてすぐにお腹がいっぱいになって、食べるとすぐに下痢をする方に。益気健脾の漢方薬「参苓白朮散料」

漢方薬が大好きな方や、お勉強中の方に漢方薬の処方構成と効能について書いています。 今回は、6月後半になって増えてきた「参苓白朮散料《じんりょうびゃくじゅつさんりょう》」です。 ※「料」とは 散剤(粉末又は微粒状に製したもの)・丸剤で服用する漢方薬をエキス剤(煎じた生薬の液体からそのエキスを抽出し、顆粒や粉末などに加工したもの)にした場合に、処方名の後には「料」という字を加えるようになっています。 参苓白朮散料とは?神戸市中央区にある漢方薬店「咲美堂漢方薬房」で、漢方カウ

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心も体もお疲れモード。動悸がして食欲がなく、悪夢を見る方に。心脾両虚の漢方薬「帰脾湯」

漢方薬が大好きな方や、お勉強中の方に漢方薬の処方構成と効能について書いています。 今回は、GWごろからよく出だした「帰脾湯《きひとう》」です。 帰脾湯とは?神戸市中央区にある漢方薬店「咲美堂漢方薬房」で、漢方カウンセラーをしている池田のりこです。 帰脾湯は、ひとことで言うと心脾両虚で精神不安がある方に適するものです。 心の働きの「主血」と「蔵神」、脾の働きの「運化」と「統血」がうまくできていない方が適応です。 心の主血ができなくなると、動悸が起こります。 蔵神がで

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我慢して言いたいことが言えないタイプで眩暈やふらつきを感じやすい方に。肝脾不和の漢方薬「抑肝散加陳皮半夏」

漢方薬が大好きな方や、お勉強中の方に漢方薬の処方構成と効能について書いています。 「薬膳の部分をもう少し詳しく聞きたい」というご意見があったので、今回からサンプルメニューと、それぞれの効能の食べもの一覧を追加しました。 今回は、うちの漢方薬店でもよく出る「抑肝散加陳皮半夏」です。 抑肝散加陳皮半夏とは?神戸市中央区にある漢方薬店「咲美堂漢方薬房」で、漢方カウンセラーをしている池田のりこです。 抑肝散加陳皮半夏は、ひとことで言うと肝鬱脾虚の痙証です。 肝鬱脾虚を整える

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湿度が高い季節に。胃腸虚弱の方の体力回復に藿香正気散

漢方薬が大好きな方や、お勉強中の方に漢方薬の処方構成と効能について書いています。 今回は、6月に入ってから投薬することが増えた「藿香正気散」です。 藿香正気散とは?神戸市中央区にある漢方薬店「咲美堂漢方薬房」で、漢方カウンセラーをしている池田のりこです。 藿香正気散をひとことで言うと、解表和中の代表処方です。 夏かぜによく使いますが、かぜでなくても内湿が停滞して、湿邪の重濁粘体性からの胸悶、頭重、悪心、嘔吐、下痢などの症状も改善します。 湿邪阻滞で胃気が上逆し、悪心

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