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ギフトブックに恋い焦がれ〈コラム〉

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今作りたい絵本の図柄のサンプル

好きなものを手に入れたいとき。それを人はどうするかというと、手に入れるためにショップを歩き回るったり、譲ってもらったりする。また偶然手に入れれることもある。私の場合は20代はお金があまりなかったこともあり、欲しいものは自分で作る環境でした。今もその精神を持っているけど、前ほど買えないわけではないので買うようになっています。しかし大人の力(つまりお金で解決できる力)を持ってしても、なかなか手に入らないものがありますよね。私にとってそれは20世紀初頭に発行された絵本です。売ってても高い。渋ってたらすぐに売れてしまって手に入らない。何がそんなに良いって、時が経っているというのもあり、手触りや存在感が全然違うんです。見ているだけで幸せになりますよ。ぶっちゃけちゃうと私は本を読まないし、文字が苦手。なのに家に本がいっぱい欲しい人。美しい装丁や表紙を見て幸福感に満たされるんですよねー。あ、化粧箱も好きです。だからって四角いものに柄が付いているとOKってわけでもないです。

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ほら!きれい!(笑)

カイ・ニールセンは書店などで見たことある方は多いと思います。19世紀後半から1930年頃はイギリスを中心とした挿絵の黄金期で、印刷革命によるギフト・ブック・ブームでした。その影響もあり、とても装飾性の高い絵が描かれている絵本が多く出版されました。カイ・ニールセンは挿絵画家でありながら舞台監督もしていまして、装飾芸術を全般的に担ってたんです。

テキスト+絵というジャンルが一般的となったのが19世紀後期から20世紀初頭。このころに挿絵という考え方ができたようです。もちろんそれ以前もありましたが、貴重なもので一般には出回ってなかったと言います。印刷技術が上がってからアーティストはこぞって絵本を出版したらしくリーヴル・ダルティストという「芸術家による挿絵本」のジャンルもできたそう。

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アーティストの本ならでわの装丁ですねー。アルシュという紙だと思うんですが端を揃えない感じとかすごくかっこいいんです。今ではタブーかもしれないこの装丁。端を揃えられないアーティストのりこなので、ホッとするなあ(笑)

それで私が今作っていきたいのはギフトブックとしての出版物なんです。フランスではギフトブックの文化がまだあるみたいで、素敵なデザイン専門本屋がパリに何件もありますよね(そして私は買いあさる。読まないけど・笑)

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ギフトブックで人気のバンドシネ

フランスに行く度に思い出すのが中学校のころ。お小遣い5000円の中からやりくりしてファッション誌を買っていました。無意識に装飾の多いイメージを探していた様に思います。一番よかったのはマグワンプという幻の雑誌で3冊しか発行されず廃刊になってしまったもの。今から考えると手触りが良い紙で色がマットな感じで心地よかったように思います。また、モデルさんの服が柄物が多かった印象が。結局中学の私は自分の思う雑誌に出会えませんでした。出会いたいものに出会えない悲しい思い出です。

出会えないとか買えないものは自分で作ればいい。ということで、1冊、とりあえずつくってみようかなと思っています。シルクスクリーンが手っ取り早い気がして、さっと露光機を自作し、図案を考えて進めています。

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自作露光機はジュラルミンケースで作りました。おいててもアンティークでかっこいい。ヤフオクで落として購入。

露光機作りたい人はメールください。レシピの材料表はあります。

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